免疫力を高めたい!と思って食事にひと工夫するなら、効果が得られる方法を選択したいですよね。

がんの民間療法にありがちなことですが、極端な食事制限でかえって体力を落とし、免疫力が低下してしまうことがあります。ここでは、ついやってしまいがちな間違った食事法と、最新科学に基づく正しい栄養摂取について見てみましょう。

麻央さんより海老蔵さんの食生活の方が健康的?

がんを防ぐため、がんと闘うために「これだ!」と思うものを見つけたら何でも取り入れたらよいと思います。ただし、害がなければの話です。

乳がんで亡くなられた小林麻央さんは、酵素風呂や温浴療法など、科学的に効果がはっきりと示されていない治療や民間療法を行っていました。少しでも可能性があるなら、前向きに取り組むことは尊いことです。

ただ少し気になるのが食事でした。夫の海老蔵さんが食べていたのは伝統的な日本料理が中心で、ときには馬刺しを沢山食べるなど変わったこともしていますが、栄養バランスを見ると高タンパクで野菜豊富な、本当の意味での健康食です。

一方、乳がんの闘病生活を送る麻央さん食事はというと、(本当に食事が食べられなくなる終末期は除き)若い女性が好みそうなメニューそのままという印象。ちょうど、美容のためのダイエット食と、がんの民間療法にありそうな制限食を足したような内容に見えたのです。

体の中にできてしまったがん細胞を、まだ小さなうちにやっつけてくれるのは、私たち自身が持っている免疫力です。その免疫力を高めるには、夫の海老蔵さんのような食生活が正しいといえます。特定の成分を無理に制限したり、美容のためのダイエットのように食事量を減らしたりするのは、むしろ危険なのです。

間違っていた「健康的な食事」のイメージ

  1. あなたは太りたいですか?
  2. それとも、痩せたいですか?

こう尋ねられたら、ほんとんどの女性は迷わず②番を選ぶのではないでしょうか。痩せている方が洋服が似合うとか、太っていると友達にも馬鹿にされそうで…とか、そんな理由でむやみにダイエットするのがどんなに危険かはこの後でふれます。
健康的な食事に対する間違ったイメージ
「痩せていると健康的で、太っていると不健康」というイメージも間違っています。確かに、まだ若い人が心筋梗塞や脳卒中になるのは、血圧の高さや動脈硬化の進行具合が関係するので太っていることにリスクがあるのは本当です。しかし、それは極端に太っている場合で、多くの女性は「少々ぽっちゃり」程度でも太っている!やせなきゃ!と無理なダイエットに走りがちです。健康を考えたら、まして、がんと闘うことを考えたら少々ぽっちゃりの方がはるかに有利なのですが……。

美容のためだけなら、②の「痩せたい」でもいいかもしれません。しかし、これからがんと闘う、または闘う可能性があるという人がこれをやっていたら本当に命取りになります。

わざわざ太れとはいえませんが、美容と健康を両立するなら、ある程度筋肉がついているメリハリのあるシルエットを目指すべきです。決してガリガリを追求しないでほしいと思います。


筋肉を減らさなことがいかに大切か

がん研有明病院の比企直樹先生が監修されている記事を見ました(『もっと知ってほしいがんと栄養のこと』)。それによると、がんと診断された時点で約半数の人が体重の減少を経験しており、治療が進むと約8割の人が体重の減少を経験するそうです。

特に筋肉は使われなくなるとすぐに減少していきます。がん患者さんは手術を行うので、活動量が低下して安静に過ごす時間も長くなります。体は安静に過ごすのに必要なだけの筋肉を残し、それ以外は不要と判断してどんどん体重を減らします。

ところが、筋肉量が減ってしまうと、抗がん剤の副作用も強く出るのだそうです。安静に過ごすだけなら筋肉は必要なさそうですが、厳しい闘病生活を耐え、できるだけ苦痛を感じなくて済むようにするには、筋肉を守ることが大切。

筋肉は気を抜いていると減少していきます。最初の筋肉量が多ければこの減少による影響も小さくて済みますが、最初から筋肉量が少ない人がさらに筋肉を減らしたらその影響は強く出てしまいます。治療を開始している人はもちろんですが、がんと診断されていない人でも、筋肉量はできるだけ多く維持した方がよいのです。

体重を減らさないために必要な栄養素

体重を減らさないためにはBCAAとEPAという栄養素が重要になります。

BCAA
筋肉の合成にかかわる必須アミノ酸(バリン・ロイシン・イソロイシン)のことです。まぐろ・サンマ・アジ・かつお・豚肉・牛肉などに含まれます。
EPA
フィッシュオイルとも呼ばれます。クロマグロ・サバ・イワシ・クルマエビなどに含まれます。筋肉の減少と炎症を抑える働きが期待されています。
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伝統食と最新科学の融合が免疫を高める

かぜなどの感染症は、体の外から侵入する病原菌によって発症します。この病原菌を退治して感染を防ぐのが免疫の役割。

がんは、本来作られるべきではない異常な細胞(微細ながん)が増殖して大きくなったもの。がんが大きくなる前の極めて微細な大きさの段階でこれをやっつけてくれるのも、やはり免疫。

また、免疫力が低下すると活力も失われ、肌の新陳代謝も低下。生き生きと元気に生活することができなくなり、外見も若々しい印象がうすれてしまいます。

免疫は、私たちができるだけ元気に、そして若々しい美しさを保つために欠かせないもの。そして、私たちはその免疫をはじめから持っています。免疫を高められるか、それとも低下させてしまうかは、その人の行動にかかっています。

基本となるのは伝統的な食事

行動の中で最も重要なのが食事です。食事から必要な栄養素が得られなければ当然、免疫は低下します。基本となるのは、昔から体によいとされてきた伝統的な食事でしょう。伝統的な食事は炭水化物、タンパク質、脂質をバランス良く含み、その民族の体質に合わせて、体に吸収されやすい食材から作られているからです。
食事法の基本は栄養バランスのよい日本食
日本食であれば、ご飯、お味噌汁、お豆腐、魚料理、漬物、おひたし、納豆、鍋料理などは、3大栄養素(炭水化物・タンパク質・脂質)をバランスよく含み、そのほか、腸内環境を整える食物繊維や、体の中で酵素の働きを助けるビタミン・ミネラルを豊富に含んでいます。ただし、塩分は少し多めなのと、カルシウムが不足しがちなのは日本食のウィークポイントなので、そこはチーズなどの乳製品を取り入れる、減塩醤油を使う、ショウガ、コショウ、ワサビ、唐辛子などの塩以外の調味料を使う、といった工夫が必要です。

また伝統的な食事といっても、優れた食文化を持つのは日本だけではありません。例えば地中海料理は、健康と美容のためにとても良いと考えられています。地中海料理は日本食と同じように魚や野菜を使った料理が多いのが特徴。地中海料理をお手本に、オリーブオイル、バジル、パセリ、ルッコラ、ローレルといった日本食では使わないオイルや調味料でひと工夫すると健康的な食事のバリエーションを増やすことができます。

免疫力を高める最新科学の力

伝統的な食事はとても大切ですが、そうした食事が中心だった昔の人もがんになっていました。また、平均寿命がのびたことで、昔であればがんになる前に亡くなっていた人でも、現在ではさらに数十年間、老後を楽しめるようになりました。こうした状況で単に昔の人と同じ生活をしていたのでは、がんになるのを防げないでしょう。

現在の科学は、免疫力を高める栄養素の研究を次々に生み出しています。これは、伝統的な食事中心の昔の人には不可能だった、私たちの時代だからこそ受けられる恩恵です。

東京大学の研究│ブロッコリーに含まれる「ブロリコ」

免疫力を高める栄養素の中で、今、科学的観点からもの凄い数字を叩き出し一部で話題になっているのが「ブロリコ」という成分。

東京大学とイマジン・グローバル・ケア社が共同で特許を取得したこの新成分が持つ、免疫を活性化させる能力というのがこちらです。

  • プロポリスの1000倍以上
  • スルフォラファンの100倍以上
  • メカブフコイダンの約60倍
  • アガリクス(β-グルカン)の約50倍

比較対象の中には、がん治療と併用して用いられる有名な栄養素も含まれています。こうしてみると「アガリスク」はなかなかたいした免疫活性力ですが、それでもブロリコと比べると50分の1なのですね。

ブロリコを必要としているのはどのような人でしょうか。
それは、免疫を高めることで病気と闘いたい人、病気を未然に防ぎたい人、肌つやの良い健康的で生き生きとした生活を送りたい人、ということになるでしょう。

自分の免疫力は目に見えるものではありませんが、いくつかの症状から推測できます。

  • いつも体がだるい
  • 肌トラブルが多い
  • 口内炎ができやすい
  • 体が冷える
  • かぜをひきやすい
  • お腹の調子が悪い

こうした症状は免疫力低下のサインの可能性があります。生活習慣、食生活を見直して免疫力を高く保つ工夫をしましょう。
免疫力を高めるブロリコを含むブロッコリー
注目の成分「ブロリコ」はブロッコリーにわずかに含まれているものの、必要量をブロッコリーからとるにはとんでもない量を食べなければなりません。専門家の指導のもとで正しい方法で摂取するのが最善です。

いかがでしたでしょうか。私たちは、美容を意識してガリガリに痩せること、または一部の民間療法に見られる、特定の栄養素が不足してしまうような食事制限を決して勧めません。体重(特に筋肉)のキープや、免疫力の向上にとってマイナスに働く可能性があるからです。

美しくて、同時に強い体というのは、
何かを引き算することによってではなく、足し算することによって得られるのではないでしょうか。

何を足すのかは、あなたの好みで決めてよいのです。たとえ効果の薄い方法を選んでしまったとしても、基本となる食生活さえ崩れていなければ害は小さいでしょう。

何があなたの体に一番よいのかは、成分との相性もあるので本当のところはやってみなければ分かりません。ただし確率を高めることならできます。

それは迷信、民間療法、単なる苦行のような効果が不確かなものに頼るのではなく、信頼できる研究から生まれた、エビデンス(科学的根拠)に基づく方法を、自分の目で確かめてから実践する、ということなのです。