川崎FのFW大久保嘉人選手は自身のブログで、胞状奇胎のため抗がん剤治療を続けていた妻の莉瑛さんが退院したことを伝えています。胞状奇胎は発展すると絨毛細胞ががん化し、「絨毛がん」を発症することがあります。絨毛がんは、かつては治療困難とされていましたが、現在では転移さえなければ高い生存率を期待できます。絨毛がんの生存率を確認しておきましょう。
絨毛がんの生存率
絨毛は、子宮と胎児の間で栄養や老廃物を交換している組織です。妊娠性絨毛がんの約半数は胞状奇胎から生じのが特徴です。胞状奇胎の約20%が絨毛がんに発展するといわれています。絨毛がんを発症する可能性のある胞状奇胎で抗がん剤治療を行うのはそのためです。
もし、絨毛がんを発症してしまっても転移がなければ、治療によって9割以上の寛解(症状のない状態)を期待できます。一方、脳や肝臓に転移が見られる進行がんになると生存率は50%程度に下がってしまうといいます。絨毛がんの5年生存率は次のようになっています。
ステージ1…約90%
ステージ2…約80%
ステージ3…約65%
ステージ4…約30%
治療には抗がん剤が有効
絨毛がんの治療には抗がん剤が非常に有効とされています。抗がん剤の進歩によって生存率が向上しています。胞状奇胎の治療後は定期的に検査を続け、絨毛がんを発症していないかどうかをチェックする必要があります。検査を受けていれば絨毛がんは無症状の段階で見つかり、予後も良好です。また、検査結果が問題ないようなら抗がん剤治療を行わなくてもよいケースもあります。以上から、大久保選手の妻・莉瑛さんの場合は抗がん剤治療が必要ではあったものの、予後は良好である可能性が高いといえるのではないでしょうか。
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