テレビ視聴で肺塞栓症 エコノミー症候群による死亡リスクとは?

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家でゆっくりテレビを見ながらゴロゴロするのが好きという人も多いことでしょう。そんなとき、ちょっと注意しておいた方がよいことがあります。それは、「エコノミー症候群」。狭くて体を動かせないエコノミークラスで長時間移動する人が罹りやすいため、このような名前が付けられています。飛行機の中に限らず、長時間からだを動かさずにいると、同様のリスクが生じ、それはテレビ視聴にも当てはまるのだそうです。

エコノミー症候群の死亡リスクはテレビの視聴時間と関係していた!

白川透教授をはじめとする大阪大学などの研究グループが「European Society of Cardiology」に発表した内容を見てみましょう(Prolonged television watchers have higher risk of fatal pulmonary embolism)。

白川教授らは8万6024人(男性3万6007人、女性5万17人)を18年間追跡し、テレビの視聴時間がエコノミークラス症候群による死亡リスクにどのような影響を与えるのかを調べました。その結果は次の通りです。

・追跡期間中に59名がエコノミークラス症候群によって死亡
・テレビの視聴時間が1日5時間以上の人は、2.5時間未満の人に比べてリスクが2倍以上になる
・死亡リスクは40~59歳の年齢層で高くなり、2.5時間未満の人に比べて2.5~4.9時間の人で3倍以上、5時間以上では6倍以上になる

エコノミークラス症候群の原因は、血管にできる血栓

エコノミークラス症候群のことを肺塞栓症ともいいます。「塞栓」というのは血管が詰まるという意味です。つまり、エコノミー症候群では肺の血管(肺動脈)が詰まってしまうのです。たかだか長時間じっとしていただけで死んでしまうというのは少し驚きですよね。そのような事態が起きるのは、じっとしていることで血液の流れが悪くなり、血管内に血栓という塊が作られるためです。

血管が詰まる病気という意味では、エコノミー症候群は脳梗塞や心筋梗塞と同じタイプの病気であるといえます。血栓の約9割は脚の静脈にできます。脚の静脈に血栓ができることを「深部静脈血栓症」といいます。脚にできた血栓は血流に乗って心臓を経由し、肺動脈を詰まらせてしまいます。

飛行機のエコノミークラスでは、足を動かしたくても動かすスペースがありません。恐らくテレビ視聴においては、夢中になるあまり足を動かすのを忘れてしまうのでしょう。異なるのは、テレビ視聴ではその気になれば足を自由に動かせる点です。

テレビ視聴時の注意点として白川教授は次の3つを挙げています。
・休憩をとる
・立ち上がって、歩く
・水を飲む

年末年始に家でゆっくりとテレビを楽しみたい人はぜひ参考にしていただきたいと思います。

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