麻央 非標準治療<標準治療 セレブご用達の治療はない

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小林麻央ブログは標準治療の重要性を伝えた?

小林麻央さんが直ちに標準治療を受けていなかった可能性が議論されています。そして、ここまで深刻になってしまった要因は、よく指摘されるように再検査時の誤診である以上に、初期治療の選択ではないかとの見方も出てきています。誤診によるロスは約8カ月なのに対し、初期治療の選択に誤りがあったとするとそこからさらに1年~1年半のロスが生じます。局所進行(皮膚浸潤ともいわれています)や骨・肺の遠隔転移は、がん告知前の8カ月よりも告知後の1年~1年半の過ごし方、治療内容に原因ありとする考え方です。

非標準治療説の真偽のほどは分かりませんが、小林麻央さんのブログが乳がんに罹っている人やこれから罹るかもしれない人に強いメッセージを発信したことは間違いないでしょう。

それは、治療初期に標準治療から外れることの怖さ、切除できるときに切除しないことの怖さです。

がん治療で「安かろう悪かろう」と考えてはいけない

私たち庶民の想像力はときとしてセレブの特権を過大評価してしまいます。「セレブの間だけで流通するアンチエイジングの美容液が存在するのでは?」と1度は考えたことがある人は少なくないはず。それと同じように、「セレブにしか行われない最先端の医療が存在するのでは?」と考えてしまっても不思議はありません。しかし、この可能性は論理的に否定されます。

医療の信頼性は膨大なデータの上に成り立っています。もし、多額の治療費を支払うことのできる特権階級だけが受けられる治療があるとするなら、その治療はデータを集めることができません。仮にそのようなものがあったとしてもデータに裏付けられた信頼性に欠けるのです。

一方、日本国民が健康保険で受けることのできる治療は比較的安価かもしれませんが、それは膨大なデータの蓄積の上に築かれた現時点で最善と思われる治療です。そもそも安全性や有効性が認められなければ薬品や治療機器の薬事承認がおりません。そして、予後を改善して生存率を高めることが証明できなければ保険適用の治療とはならないのです。

がん治療に関しては、庶民に手のとどく安い治療は「そこそこの治療」、数千万単位の医療費を払えば「もっと良い治療」があるなどと考えるべきではないでしょう。また、保険適用の治療は国民の大切な税金によって成り立っており、実際のところ安い治療でもないのです。

「標準治療」を過小評価してしまうのは言葉のせいもある

そもそも「標準」の語感が誤解のもとかもしれません。標準とはいわば「並み」であり、並みの上には「特上」相当の治療がありそうな気がしてきます。標準治療の正しい意味については、がん情報サービスが明瞭に定義しています。

標準治療とは、科学的根拠に基づいた観点で、現在利用できる最良の治療であることが示され、ある状態の一般的な患者さんに行われることが推奨される治療をいいます。
一方、推奨される治療という意味ではなく、一般的に広く行われている治療という意味で「標準治療」という言葉が使われることもあるので、どちらの意味で使われているか注意する必要があります。

乳がん治療の専門家が標準治療が重要だと語るとき、「広く行われている治療」というよりも「推奨される治療」「最良の治療」というニュアンスがあることを知っておきましょう。

非標準治療=先進医療ではない

「先進医療」には、何か最先端の優れたもの、「でもお高いんでしょう?」といったニュアンスがあります。この言葉も誤解されやすいので整理しておきましょう。

信頼性や安全性、さらには公益性が証明されていない治療は保険の効かない自由診療となり全額自己負担で受けなければなりません。先進医療というのはちょうど保険診療と自由診療の中間のような位置づけです。

細かく見ていくと、「最先端の医療技術の中である程度有効とされているもの」を先進医療A、「本当に有効かどうかを臨床試験で調べる段階のもの」を先進医療Bといいます。がんだけでなく、あらゆる医療分野のなかで先進医療Aは40種類、先進医療Bは63種類しかありません。先進医療という言葉は漠然と最先端の医療、高額の医療を指すのではなく、先進医療AまたはBとして認められた一部の治療を指すものです。

乳がんに関係するものには下記があります。

<先進医療A(40種類中)>
・「陽子線治療」「重粒子線治療」……乳がんも対象だが根治的な治療法が可能なものに限られる
・「樹状細胞及び腫瘍抗原ペプチドを用いたがんワクチン療法」……乳がんの場合は進行再発乳がんに限られる

<先進医療B(63種類中)>
・術後のホルモン療法及びS-1内服投与の併用療法……原発性乳がんの内、エストロゲン受容体陽性・HER2陰性のものに限られる
(厚生労働省「先進医療の各技術の概要」より)

そんなに沢山あるわけではないことが分かりますね。この内、がんワクチン療法とホルモン療法及びS-1内服投与は手術後の治療を想定しています。小林麻央さんの癌告知直後は手術を行えたかもしれないが行ってはいない状態ですから手術前の治療に該当します。そうなると、小林麻央さんが先進医療を選択したとすれば、実質的には陽子線治療または重粒子線治療しかないことになるでしょう。例えば、進行再発乳がんに対しては先進医療Aとなるがんワクチン療法も、手術前に行えば先進医療ではなく自由診療。

小林麻央さんが標準治療を受けていないかもしれないと聞いて、「じゃあ先進医療かな?」と思われた人もいるかもしれませんがそれは違っていますよね。非標準治療は保険適用でも先進医療でもない何かのこと。それが何かは分かりません。さらにいえば、実際に非標準治療を受けていたかどうかも分かりませんし、今後そのことが語られるかどうかも分かりません。

小林麻央さんの非標準治療に関しては、「分からない」としか答えようがないのです。

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