国内でジカ熱の感染例が報告されました。今月20日までジカ熱の流行地であるブラジルに滞在していた川崎市の10代男性が、帰国後に発熱や発疹などの症状を訴えて医療機関を受診。国立感染症研究所で血液検査を行ったところ、ジカ熱の感染が判明したそうです。中南米での流行が始まって以降の感染例としては、はじめての報告となります。やはり気になるのは、日本で感染が広がる可能性があるかどうかです。
感染が広がる可能性は基本的には低い
ジカ熱を媒介するのは蚊です。日本にも生息するヒトスジシマカはジカ熱を媒介することができます。しかし、幸いなことに今の時期は蚊が活動していないのでジカ熱の感染が広がる可能性は低いと考えられます。ところで、蚊に刺される以外に、感染の可能性はないのでしょうか。
人から人への感染報告は、現在のところ世界で1例か
今月2日、米テキサス州ダラス郡でジカ熱が人から人に感染したとの報告がありました。感染経路については判明していませんが、人から人への感染の事実については、テキサス州衛生当局が「感染者から非感染者への性感染の可能性はある」との声明を出しています。
はっきりしていない性感染の可能性
米テキサス州ダラス郡の感染報告では、性感染説も浮上しています。感染した男性は、ジカ熱の流行地であるベネズエラに渡航した人と性交渉を持っていたからです。また、これまでに、精液からウイルスが検出された例も1例あるそうです。ただし、事例があまりにも少なく、ジカ熱が性感染することを裏付ける証拠とはなっていません。世界を見渡せば、このような特殊な報告もあるものの、日本でジカ熱の感染が広がる可能性はやはり低いと考えておいて問題はなさそうですね。
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