ウォーキングやジョギングを熱心に行っていたら、股の痛みに襲われた……こんなときは股関節の使い過ぎが疑われますが、どうやらそうではないらしい。となると、恥骨結節の炎症の可能性があります。
地面からの衝撃が原因
歩く、走るといった運動で重要なのが下半身の筋肉です。筋肉は脚を前方から後方に送り出すとともに、地面からの衝撃を受け止めてもいます。同じことは骨にもいえ、一歩一歩進むごとに衝撃を吸収しています。特に骨盤周辺には大きな力が加わります。恥骨は膀胱の下の方に位置する骨で骨盤の一部です。左右の恥骨が合わさるところを恥骨結合といいます。恥骨には、歩行時に体幹を安定させ、片足立ちでも傾かないようにする内転筋が付着しています。また、恥骨結合には地面からの衝撃が常に加わります。ウォーキングやジョギングで疲労が蓄積すると恥骨結合周辺に炎症が起き、痛みが生じることがあります。これを、恥骨結合炎といいます。
休むときはしっかり休む
恥骨結合炎を治すには、いったん運動を止め、炎症が治まるのを待つ必要があります。医療機関を受診すると消炎鎮痛剤やステロイドホルモン剤による痛みを和らげる治療を受けることができます。股関節周辺の筋肉の柔軟性と筋力を強化することで回復を早め、再発を防ぐことができます。足を外側に開いていく「外転可動域訓練」が主に用いられます。痛みがとれたら、軽めの運動から少しずつ慣らしていき、違和感があるようならすぐに中止します。恥骨結合炎はしっかり休めば2週間ほどで治まりますが、痛みに耐えて運動を継続していると、さらに悪化して2~3か月の長期休養が必要になります。長期的に見れば、しっかり休んで炎症をとることが回復への近い道といえます。
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