9mm滝善充のジストニア 演奏しながら脳を焼く手術も!?

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ジストニアという病気の疑いでライブ活動の休止を発表した、ロックバンド9mm Parabellum Bulletのギター滝善充さん。

これまで病名を明らかにしなかった理由について、オフィシャルサイトは次のように説明しています。

ネットで調べて出て来る「ジストニア」の症例には個人差がありすぎる為、皆様にお伝えすると混乱を招く恐れがあった事、そして診断書を出すレベルの検査結果には至らず、あくまで疑いがあるとしか言えなかった為です。

確かに、実際「ジストニア」で検索するとショッキングな画像がヒットします。ひとつは、手や首があらぬ方角にねじまがってしまった患者さんの画像です。ジストニアにはさまざまなタイプがありますが、遺伝性のものについては難病に指定されており、日本には約500名の患者さんがいるそうです(難病情報センター)。

滝善充さんの場合は遺伝性ではなく、ミュージシャンに多く見られるという職業性ジストニアだと思われます。そして、こちらについても検索するとショッキングというか、斬新な手術画像がヒットしました。それについては最後の方でふれるとして、まずはジストニアという病気について確認しておきましょう。

ジストニアは同じ動作の反復が原因になる

ジストニアは、筋肉が自分の意思と無関係に収縮してしまう病気。首や背骨が大きく歪んでしまう重度のものもありますが、軽度のものとしては、文字を書くときだけ筋肉が制御できなくなる書痙(しょけい)などがあります。これは字を書くという動作を反復したことが原因になっていると考えられます。

ギタリストである滝善充さんの場合、原因ははっきりしているのではないでしょうか。ギタリストの左指は、複雑で素早い運指によって酷使されるからです。職業上、同じ動きを反復した結果生じるジストニアを「職業性ジストニア」といい、楽器を演奏するときに手首や指がこわばって演奏できなくなるものを特に「音楽家ジストニア」というそうです。

ジストニアの手術方法には2種類ある

ジストニアは筋肉のこわばりが原因。これを解消するためにパーキンソン病に用いる治療薬を使ったり、筋肉を弛緩させる作用を持つボツリヌス毒素を使ったりしますが、こうした治療の効果は控えめなものです。

これに対して、リスクは高くなりますが成功した場合のメリットが大きいのが手術という選択肢。手術には2種類の方法があります。

<脳深部刺激療法>
脳のためのペースメーカーともいえる刺激発生装置を胸の皮膚の下に入れ、ここから脳に留置した電極を通じて脳の特定のポイントに電流を流す方法。保険適用もされているスタンダードな治療だが、体内に機械を入れたままにしておくことに抵抗を感じる人もいる。

<熱凝固手術>
症状に関係している脳の一部を焼き切る手術。一度焼き切ってしまうとその部分は元には戻らない。ただし、1度手術を行って3カ月間効果があれば、その効果は一生続くといわれている。

熱凝固手術のパイオニアといわれる東京女子医科大学脳神経外科HPには次のように記されています。

当科では、約15年前より視床に凝固巣を作成することで症状が劇的に改善することを明らかにしました。手に発症する局所ジストニア(職業性ジストニア)の治療では、現在海外を含めてこの治療を行いうる施設は当科のみで、この分野では世界のリーダー的存在です。

熱凝固手術では、手術の最中にジストニアに関わる動作(ギタリストであればギターを弾く)を行い、どのように改善するのかを確認しながら手術を進めるそうです。手術の様子を伝える画像も紹介されていますが、それを見ると、演奏しながら脳の手術を行う光景に驚かれるに違いありません。

滝善充さんの病状が手術が必要な水準なのかどうかは分かりませんが、手術を選択する場合は上の2つの中から選ぶことになるのでしょう。

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