「急性心筋梗塞」から復帰した渡哲也さん、心配される「心不全」の症状とは?

急性心筋梗塞のためカテーテル治療を受け、リハビリを続けてきた渡哲也さんが仕事に復帰したことが報道されています。渡さんは現在でも週3回のリハビリと月2回の通院を続けているそうです。心筋梗塞の手術は成功しましたが、少し心配なのは、「血中酸素濃度が下がり、苦しくなる」というコメントです。あくまでも可能性のひとつに過ぎませんが、血中酸素濃度の低下は、心筋梗塞後の心不全に見られる症状でもあるからです。

心臓にダメージが残る場合

心筋梗塞は、心臓に血液を送る冠動脈という血管が詰まってしまう病気です。そのまま放置すると血流が途絶えた心臓の筋肉は壊死して生命に危険が及びます。渡さんは迅速なカテーテル治療によって救われました。途絶えてしまった血流を再び流れるようにする治療を「再灌流療法」(さいかんりゅうりょうほう)といいます。幸いなことに、この治療が上手くいったのですね。

ただ、血液が再び流れ出すまでの間、心臓への血流は一時的に途絶えていたことになります。どれくらいの時間途絶えていたかが重要で、それによって心臓へのダメージが変わってきます。長時間血流が途絶えたままだった場合には、たとえ再灌流療法が成功しても、術後に心臓の機能が十分に回復しないケースもあります。心臓のダメージが大きい場合に心配されるのが「心不全」です。

ポンプ機能が障害される心不全

心臓は筋肉の収縮によるポンプ機能で全身に血液を供給しています。心筋梗塞で心臓の筋肉(心筋)にダメージが残るとポンプ機能が低下することがあります。心不全は、心臓のポンプ機能が障害される病気です。さまざまな原因が考えられますが、心筋梗塞も原因のひとつとなります。

「心肺機能」とひとくくりにされることからも分かる通り、心臓は肺の機能とも結びついています。心臓は肺に血液を送り込み、肺から流れ込む豊富な酸素を含んだ血液を全身に送り出しています。心不全になると、手足への酸素供給が不足します。血中酸素濃度の低下を引き起こす要因はさまざまですが、心不全もそのひとつです。渡さんの、「血中酸素濃度が下がり、苦しくなる」というコメントが心配される理由もここにあります。

心不全の症状

心不全の主な症状は次のとおりです。

・動悸がする
・体がだるい
・食欲がない
・胸が痛い
・お腹がはる

手足の酸素不足のために爪の色が紫色になったり、足の甲が腫れたりすることもあります。また、夜寝るときに息苦しい、息苦しくて痰に血が混じるといった症状が心不全から来ている場合は、かなり進行していると考えられます。

軽度の心不全は予防で十分

軽度の心不全については、次のような予防を行うだけでも十分と考えられています。

・安静にする
・ストレスを避ける
・塩分、水分を摂り過ぎない
・過度な運動を行わない

症状が進行すると、酸素吸入によって血中酸素濃度を増やしたり、血管拡張剤によって血管を広げて心臓の負担を減らしたりといった治療も必要になります。なお、重症の心不全に関しては、治癒を期待できる治療は心臓移植のみとなります。

渡さんの場合、仕事に復帰できていることから考えて、仮に心不全の傾向があったとしても軽度のものと推測できます。現在も通院とリハビリを続け、万全を期している様子がうかがえます。こうした取り組みが功を奏し、酸素不足から来る苦しさからも、いち早く開放されることを願っています。

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