小林麻央さんは手術を終えて10月に退院。子どもの運動会にも参加することができ、とても元気そうに見えます。入院中にアップされた写真よりも明らかに顔色もよくなって、ブランドを着こなすキレイなママという感じ。一見すると病気には見えず、このまま良くなっていくのではないかという印象を受けます。
もちろんそうなってくれることを誰もが願っていますし、本当にそうならないとも限りません。ただ、楽観的な見通しのまま異なる現実を突きつけられるとショックは一段と大きなものになります。一般的に、がん患者が元気そうに見えるからといって、平和な時間が長く続く保証はないそうです。終末期医療にかかわる医師はこのことを家族に丁寧に伝えるのだそうです。
小林麻央 元気に見えても家族は楽観視していない理由
「先生が説明してくれたとおりになりましたね。説明を受けたときは信じられなかったのですが、そのようになってみて初めて、ああそうだったんだと分かりました。」
(ホームケアクリニック札幌HP)
これはがん患者の家族が患者の死後に医師に伝えた言葉。医師は患者がかなり元気に見える段階で、家族には死期が近づいていることを知らせていました。がん患者の多くは亡くなるぎりぎりまで日常的なことを自分でできます。だから家族は別れがかなり近づいているということに気づかないままということが少なくないそうです。残された限りある時間を大切に過ごしてもらうためにも、家族に現実を伝えておくのは大切なことですね。
小林麻央さんのブログの読者は、退院後の写真や活発に活動する様子を見て、思ったよりも病状は良さそうだと感じたでしょう。このままこうした生活がいつまでも続くような気さえします。ただ、がん患者の予後は見た目からは判断できません。現実を知っているのは医師、そして、おそらくは家族なのです。
目に見える不調が現れてからの生存期間は10日前後
元気そうな見た目や、活発な活動からはがん患者の予後を予測することはできません。しかし、明らかな不調からはある程度予後の予測が可能です。ただそれが現れるのは本当に死期が迫っているとき。日常生活動作に障害が現れてから、だいたいどれくらいの生存期間が期待できのかを見てみましょう(参照:大学病院における終末期がん患者が抱える 日常生活動作の障害と看護支援の検討)。
<移動に障害が現れた場合>
平均生存期間:9.8日
<排便に障害が現れた場合>
平均生存期間:8.9日
<排尿に障害が現れた場合>
平均生存期間:9.2日
<水分摂取に障害が現れた場合>
平均生存期間:8.4日
<食事に障害が現れた場合>
平均生存期間:9.2日
<会話に障害が現れた場合>
平均生存期間:2.6日
<応答に障害が現れた場合>
平均生存期間:1.8日
(調査対象は平均年齢67.6歳で8割が他臓器への転移を供う42名のがん患者)
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このように、移動ができない、食事ができない、といった状態からの平均生存期間は10日以下となっています。なかでも、会話ができなくなる、意識レベルの低下で応答がなくなる、といった場合は分かれの時期が数日単位で迫っていることを示しています。
小林麻央さんは現在のところこうした障害からはほど遠い状態に見えます。その点は安心材料といえるでしょう。ただ残念なことに、元気そうに見えるという印象は数年先、数カ月先の状態を保証するものではない。それが、がんという病気。ステージ4なのです。