厚生労働省の「歯科口腔保健の推進に関する基本的事項」では、平成21年の時点で34.1%(20歳以上)だった定期検診の受診率を、平成34年度までに65%まで引き上げる目標が盛り込まれています。定期検診は、成人が歯を失う原因になる歯周病予防に有効で、これにより、中高年期の歯の早期喪失を抑えられると期待されています。
基本は毎日のセルフケア
むし歯、歯周病の予防は毎日自分で行う歯みがきが基本になります。軽度の歯周病であれば、丁寧なブラッシングを続けているだけで改善することもあります。ブラシの届かない歯と歯の間のプラークにはデンタルフロスを用います。フッ素配合のハミガキにはむし歯の進行を抑える効果を期待できます。フッ素には、歯の表面のエナメル質を修復(再石灰化)し、酸がつくられるのを抑制する働きがあるからです。
歯科医院でプロフェッショナルケアを受ける
歯科医院ではプロフェッショナルケアを受けることができます。例えば、歯科衛生士がスケーラーという機械で歯石を取り除くことをお「スケーリング」といいます。また、PMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)は、歯石を除去した上で、フッ素入りの研磨ペーストで歯の表面を磨きます。PMTCでつるつるになった歯にはプラークが付きにくいので、その後のセルフケアを効率良く行うことができます。定期的な検診とプロプロフェッショナルケアを習慣にすればお口の中を良い状態に保ち、歯を失うリスクを減らすことができるでしょう。