ブラジルでは、小さな頭で生まれる「小頭症」の赤ちゃんが急増しているそうです。ブラジル全体では例年の8.58倍に相当する1248人、多い州では例年の75倍にもなる646人が小頭症との診断を受けています。小頭症の急増の原因は、蚊にさされた妊婦さんが「ジカウイルス」に感染するためだと考えられています。耳慣れないウイルスですが、日本での感染例はあるのでしょうか。
海外から持ち帰るケースがあるが極めて少ない
国立感染症研究所は、2014年7月25~31日までタイ・サムイ島を観光で訪れ、ジカウイルスに感染した41歳男性の例を報告しています。この時点で、国内におけるジカウイルス感染例は3例目、東南アジアからの輸入症例としては初のケースとされています。日本におけるジカウイルスの感染は片手で数えるほどしかなく、海外から持ち帰るケースに限られています。
ウガンダの「ジカの森」で発見される
ジカウイルスの命名の由来は、このウイルスが発見されたウガンダの「ジカの森」にあります。ジカウイルスは1947年、この森で発見された後、2007年にミクロネシアのヤップ島で最初の流行が起きています。さらに、2013年にはフランス領ポリネシアで約1万人が感染し、70人が重症となる大規模な流行が起きました。ジカウイルスに感染すると発熱、関節痛、結膜充血、皮疹などが現れます。症状は同じく蚊によって媒介される「デング熱」に似ているといいます。
現在のところ、日本におけるジカウイルスの感染リスクは低そうです。しかし、デング熱、日本脳炎、ウエストナイル脳炎のような蚊によって媒介される感染症と類似しているとも言われており、蚊に刺されるとジカウイルスを含む何らかの感染症にかかる危険は高まります。今回のブラジルにおける「小頭症」の報道によって、とりわけ妊婦さんは細心の注意を払う必要があることが分かりました。海外に行く予定のある方は、渡航先でジカウイルスなどの感染症が流行していないかどうか事前に調べておく必要がありますね。
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