窒息死? それとも乳幼児突然死症候群(SIDS)? 「うつぶせ寝」男児死亡の判決は……

大阪市の認可外保育施設で生後4か月の男児が死亡した事故(平成21年)に関して、大阪高裁は11月25日、施設側に賠償を命じる判決をくだしました。

1審判決では男児の死因が乳幼児突然死症候群(SIDS)だったとして施設側の過失を否定していました。一方、今回の控訴審判決では男児の死因が「うつぶせ寝による窒息死」だったとして施設側の過失を認めています。

ここから分かることは、同じように「うつぶせ寝」による死亡であっても、それがSIDSなのか窒息死なのかによって司法の判断が異なってくるという点です。

窒息死であるとすれば、うつぶせ寝を放置したことと男児の死亡との因果関係があったことになり、施設側はこれを防ぎ得たし、また、防ぐ責務があったことになるでしょう。一方、SIDSだったとすれば話は別です。SIDSの場合はうつぶせ寝との因果関係が明白ではなく、防ぎようがない事故だったと判断されるからです。

司法における判断がこのようになされるというのは興味深くはありますが、子を持つ親としては、窒息死であれ、SIDSであれ子供の死はどちらも防がなくてはなりません。SIDSに関して現在分かっていることを確認しておきましょう。

乳幼児突然死症候群(SIDS)とは?

乳幼児突然死症候群(SIDS:Sudden Infant Death Syndrome)について詳しいメカニズムは分かっていませんが、毎年100人以上の赤ちゃんの死亡原因になっています。厚生労働省によれば、SIDSは乳児(0歳)の死亡原因の第3位で、平成26年には146人の赤ちゃんがこの病気で亡くなりました。

「SIDS」が発生しやすい条件

平成9年度厚生省心身障害研究「乳幼児死亡の防止に関する研究」は、SIDSが発生しやすいものとして、次のような条件を挙げています。

・男児
・早産児
・低出生体重児
・うつぶせ寝
・両親の喫煙
・人工乳
・冬季
・早朝から午前中

「うつぶせ寝」は危険が高い傾向に

SIDSが発生しやすい条件に「うつぶせ寝」が含まれています。はっきりとした理由は分かりませんが、あおむけ寝に比べ、うつぶせ寝は突然死の発症率が高くなると報告されています 。SIDSを避けるためには、念のためうつぶせ寝を避け、赤ちゃんの顔が見える姿勢で寝かせるのが良さそうです。

母乳はリスクを軽減させる!?

日本には根強い「母乳信仰」ともいうべき価値観がありますが、そこまで拘らなくても良いのではないかという意見もあります。SIDSに関してはどうかというと、これも理由ははっきり分かっていませんが、母乳で育てられている赤ちゃんの方が、ミルクなどの人工乳で育てられている赤ちゃんよりもリスクが低い傾向があるそうです。こればかりはどうしようもありませんが、母乳を与えられる状況ならそのまま母乳で育てるのがSIDS対策としては良さそうです。

両親の喫煙でリスクは約4.7倍に!

両親に喫煙習慣がある場合とない場合を比較すると、喫煙習慣がある場合の方がSIDSを発症するリスクが約4.7倍になるとの指摘があります。妊娠中の喫煙の害については、赤ちゃんの体重が増えにくくなる、呼吸中枢に悪影響を与える、なども指摘されていますが、SIDSに関しても良くない影響を与えることが分かっています。

うつぶせ寝によって口や鼻が塞がれれば窒息死につながります。また、因果関係が明確ではないとはいえ、うつぶせ寝はSIDSのリスクが高くなるとも考えられます。いずれにしても、赤ちゃんのうつぶせ寝に注意するにこしたことはないでしょう。

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