俳優の市村正親さん(66)は9月中旬、公演中に半月板を痛め、手術を行ったことが報じられています。半月板の損傷は膝のケガの中でも、スポーツにおけるアクシデントや加齢の影響で比較的生じやすいケガといえます。
半月板損傷とは?
膝関節では、膝から下の脛骨という骨と、膝から上の大腿骨という骨が接しています。脛骨と大腿骨の間にあるのが半月板です。その役割は、膝にかかる衝撃を緩和し、関節の安定性を高めることにあります。強い衝撃が膝に加わったときや、膝をひねったときに損傷しやすく、とりわけ40代以降はちょっとした衝撃で損傷してしまうこともあります。半月板を損傷すると、膝を動かしたときに痛みが出たり、膝を動かすことができなくなる「ロッキンング」といわれる症状がでます。
保存療法または関節鏡手術が選択肢
症状が軽い場合は、抗炎症薬を処方し、痛みを緩和しつつ、運動療法によって膝周辺の筋肉を強化する保存療法で回復を期待できます。保存療法で回復しない場合は関節鏡という特殊な医療機器を用いて手術を行います。関節鏡は、小さな傷口から内視鏡を関節内に送り込み、関節内の様子を鮮明な画像で映し出し、同時に切除や縫合を行うことができます。周辺の筋肉や靭帯への影響が少ないため、手術後の早期回復が期待できる治療です。半月板損傷に対しては、損傷した部分を切り取ったり、縫い合わせたりして、膝を動かしたときに引っかかりが生じないようにします。
関節内でクッションの役割を果たす半月板が損傷すると、大きな衝撃が膝関節に伝わり、関節の破壊が進んでしまうことがあります。関節の破壊は高齢者に多く見られるもので「変形性膝関節症」といいます。重症になると人工関節に置き換える治療が必要になります。半月板損傷が生じたときは適切な治療によって、将来の変形性膝関節症のリスクを高めないようにすることが大切です。
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