北の湖理事長の死因となった直腸がんで、「人工肛門」の割合はこんなにも減っていた!

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11月20日に亡くなられた北の湖理事長の死因は直腸がんと多臓器不全と報道されています。北の潮理事長が直腸がんの手術を受けたのは2012年のことでした。それ以降も大病を繰り返し、度々入院されていました。

2014年1月には、前年に受けた大腸ポリープ手術後に腸閉塞を引き起こしたため初場所を休場しています。そのときの報道で、糖尿病も患っていたことや、一時は人工肛門をつけていたことにふれ、北の潮理事長の病状が「相当悪い」とするものがありました。

ここで気になったのは、「一時は人工肛門をつけていた」という部分です。肛門に近い直腸の癌を手術するのですから、人工肛門になることもあるでしょう。それはよいとして、ひっかかったのは「一時は」というところです。一時は、ということは、一定期間の後はそうではなかったという意味でしょうか?  だとすると、人工肛門は不可逆的な処置ではないということになります。それは、これまで抱いていた人工肛門のイメージとは少し異なっているように思いました。そこで、直腸がん手術における人工肛門事情について調べてみることにしました。

直腸がんで人工肛門が作られる理由

大腸がんは「結腸がん」と「直腸がん」とに区別されます。直腸がんは、肛門により近い直腸にできる癌です。そのため、癌を切除するのに伴って、肛門や、肛門を動かす筋肉、神経などを一緒に取らなければならない場合があります。そうしたときに用いられるのが「人工肛門」です。

人工肛門は、腸の一部を下腹部の皮膚表面に露出させ、ここから排泄を可能にするという処置です。直腸のように一時的に便を貯めておく機能や、肛門のように便を排泄するタイミングをコントロールする機能は失われてしまいます。手術後のQOL(生活に質)の向上という観点から、できるだけ人工肛門を避けるというのが患者の希望であり、また、多くの医師が目標とするところでもあります。かつては、大腸がんというと、「人工肛門になる」というイメージがあったかと思いますが、現在では実際のところどうなっているのでしょうか。

人工肛門の割合は直腸がん全体の12%との報告も

直腸がんを含む大腸がんの手術では、癌のある腸の部分を少し余裕をもって切除します。すると、腸の切り口が2箇所できることになります。次にこの2箇所の切り口を縫い合わせれば、再び1本の腸になります。癌が肛門から遠ければ人工肛門の必要はありません。癌が肛門から近いときは、癌の再発を防ぐために肛門を取らなければならないケースも出てきます。しかし、現在では以前なら人工肛門にしていたような、肛門からの距離が近い癌に対しても、肛門を取らずに残す「肛門温存手術」が行われています。

また、癌が腸の内側の粘膜や筋肉の層にとどまっているステージ0やステージ1の初期の直腸がんに関しては、内視鏡手術を選択することができ、この場合は腸を切らないので人工肛門を作ることはありません。

がん研有明病院の報告によれば、積極的な肛門温存手術によって、同院における人工肛門の割合は、直腸がん全体のわずか12%だといいます。より肛門に近い下部直腸がんでも24%にとどまっています。もちろん、医療機関によってこの割合は変わってきますが、人工肛門が稀なケースになりつつあることは確かです。

永久的人工肛門と一時的人工肛門

人工肛門には、「永久的人工肛門」と「一時的人工肛門」とがあります。一般的に人工肛門というときは、直腸がん手術によって肛門を切除し、肛門の代わりをするものとして作る人工肛門を指していると思います。これは、より正確に表現するなら「永久的人工肛門」ということになります。

一方、一時的人工肛門というのは、肛門は切除していないが、何らかの理由によって人工肛門を設置した状態を指します。状況が変われば人工肛門を止めて再び肛門による排泄が可能になります。

例えば、直腸がんの手術の際に、腸をつなぎ合わせる箇所が肛門に近いときには、一時的に人工肛門を作り、その後、回復を待って3~6か月後に人工肛門を取り除き、肛門からの排泄に戻します。あるいは、直腸がん(または大腸がんや大腸ポリープ)の手術後に腸の癒着が原因で腸閉塞を起こした場合には、一時的に人工肛門を作って排泄機能を担わせます。

以上から、冒頭で紹介した北の潮理事長が「一時は人工肛門をつけていた」という証言の意味が理解できます。まず、北の潮理事長は少なくとも永久的人工肛門ではなかったということ。また、北の潮理事長の受けた手術は内視鏡手術だった報じられているので、肛門近くで腸を吻合したことに伴う一時的人工肛門でもないでしょう(内視鏡手術では腸を切らないため吻合も行いません)。考えられるのは、直腸がんの手術とは直接関係のない他の(例えば、手術後の腸閉塞などの)理由で一時的に人工肛門を作っていたという可能性です。

ここで確認できたことは、現在では直腸がんによる人工肛門の割合は非常に少なくなっていること、人工肛門には後から除去できる一時的人工肛門というものもあること、そして、直腸がん手術に伴うのではない、他の理由で一時的人工肛門を作る場合がある、という点でした。

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