梅宮辰夫 十二指腸乳頭部がんと判明
十二指腸乳頭部がん。これが梅宮辰夫さんの病名です。9月7日、長女の梅宮アンナさんが緊急会見を開いた際に明らかにしたものです。
乳頭部というのは、十二指腸の中でも胆汁が流れる総胆管と膵液が流れる主膵管が貫いている部位。手術を行った際、切除部位に胆汁や膵液がかかると化学反応で穴があいたり、出血したりといった危険があります。胃がんや大腸がんで普及している、内視鏡を使った負担の少ない治療は十二指腸乳頭部がんに対しては難しいとされています。
十二指腸乳頭部がんは手術の負担が最も大きくなる?
十二指腸乳頭部がんの第一選択は手術による摘出です。十二指腸乳頭部がんは発生率が非常に低いので手術成績についての報告は少なく、また胃がんや大腸がんとは異なり、確固とした治療のためのガイドラインが整備されていないそうです。
現在のところ標準的な方法とされているのは「膵頭十二指腸切除術」という、十二指腸と膵臓の一部、胆管を切除する手術です。この手術は外科手術の中でも最も大きな手術のひとつで、手術にともなう負担が非常に大きくなります。梅宮辰夫さんの手術も12時間におよんだそうです。
十二指腸乳頭部がん 手術を行った場合の生存率は?
十二指腸がんは手術できない場合の5年生存率は20%以下とされています。
それでは手術できた場合の生存率はどのようになるのでしょうか。
手術成績を公開している病院に気仙沼市立病院がありました。同院では1期から4a期までの十二指腸乳頭部がん10例すべてに膵頭十二指腸切除術を行っています。なお、膵頭十二指腸切除術は負担が大きく難しい手術になりますが、手術直後の死亡例はなかったそうです。
●十二指腸乳頭部がんの治療成績(気仙沼市立病院)
1年生存率 70.0%
2年生存率 60.0%
3年生存率 33.3%
5年生存率 33.3%
このように2年目までは比較的生存率が高いものの3年目から急激に下がります。そして3年目以降に大きな差異は見られません。十二指腸がんは術後3年間に再発等がなければその後の予後も良いことが期待されます。
十二指腸乳頭部がんと診断された梅宮辰夫さんですが、ステージは1と2の間で、会見によれば手術も成功して元気に療養中とのこと。3年間再発等がなければ見通しは明るいといえそうです。