乳がんだけなら死なない? 麻央を脅かす真の要因

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日本テレビの特番「市川海老蔵に ござりまする」(2017年1月9日、22時~23時半)に小林麻央さんが登場。乳がん公表以来、麻央さんの映像が流れるのはこれが初めてです。

麻央さんは、夫の海老蔵さんの密着取材に合わせて日本テレビのインタビューを受けています。ご存知の通り、麻央さんは現在、乳がんのステージ4で入院中。その中での収録だけあって、麻央さんの本気と気合が感じられます。



ところで、番組で麻央さんの姿を見た人は次の点に疑問を持つかもしれません。
・乳がんのステージ4で、しかも入院中なのに収録などを行って治療に影響はないのか?
・健康な頃と同じというわけにはいかないまでも、現在のような状況のまま長期間生き続けることはできるのか?

ここではこの点について考えてみましょう。

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ステージ4公開時の予想を上回る治療の進展

現在、麻央さんは入院生活を行っています。そして、それはブログが始まった昨年9月以降2回目の入院、つまり再入院となります。これは後から分かったことですが、9月にブログが始まったときに入院していたのは、手術に向けた準備のためでした。

乳がんのステージ4とは、乳腺やリンパ節だけでなく、他臓器に転移が見られる進行した状況です。通常はこの段階で手術が行われることはありませんが、麻央さんの場合はQOL(生活の質)の向上を図るために異例の手術を行いました。おそらく原発巣(最初に癌ができた乳腺の腫瘍)を切除したのでしょう。この手術は無事成功し、10月に麻央さんは退院します。


このとき、乳がんの専門家であるベルーガクリニックの医師によって、麻央さんの12月以降の生存は困難ではないかとの見通しも示されていました。理由は、もともと乳がんのステージ4という厳しい段階(エンドステージと表現されています)である上に、無理に手術を行って負担をかけたからです。手術のためには抗がん剤治療を中断する必要があり、このことも生存率に悪影響を与えるものと考えられていました。

しかし、麻央さんの予後は比較的良好なまま推移し、年を越すのは難しいという専門家の予測を超えて体調は回復していったように見えました。変化が訪れたのは昨年11月のこと。ちょうど10~11月の間に行った25日間の放射線治療を終えた時期でした。麻央さんは喉の痛み、そして背中の痛みを訴えるようになります。こうした症状は放射線治療の副作用と見られるものではありますが、それだけではなかったようです。骨転移(骨に癌が転移すること)の影響で背中に強烈な痛みが出ていたものと思われます。

そして、麻央さんは主にこの痛みが原因で再度の入院を余儀なくされることになります。

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ステージ4の麻央 どんな状況でのインタビューだったのか

9月頃の1回目の入院は、手術を行うという明確な目的を持った予定された入院でした。一方、2回目の入院は通院では対処しきれない痛みに急遽対応するためのいわば偶発的な入院です。

今回のインタビュー収録が治療に影響を与えるかどうかは、この再入院をどのように受け止めるかによって見方も変わってくるでしょう。いよいよ深刻な状況となっての再入院であれば、麻央さんも無理をして取材に応じることはしなかったのではないでしょうか。治療に影響がないと判断したからこそインタビューに応じたはずです。



おそらく、痛みという厄介な問題が生じてきてはいても、後に見るように乳がんそのものは悪化していなかったのでしょう。実際、放射線治療を行う前の昨年10月頃の体調は良好でした。体調が良いからこそ、麻央さんは放射線治療という新たな治療を開始し、また同時期には、温浴療法という治療も行っています。

昨年末からの痛みによって再入院し、現在も痛みが続いている最中ではあるものの、大局的には体調の良かった昨年10月頃の状態を取り戻しつつあるとの見方も可能でしょう。このことは、麻央さんが海老蔵さんとともに、ある程度の体力レベルがなければ行えない酵素風呂を始めたことからもわかります。麻央さんは酵素風呂に入れる程度には回復しており、インタビューの収録による影響を心配しなければならない段階は脱しているものと思われます。

さて、癌のステージ4は、治癒を期待することが非常に困難な段階であるのは事実です。しかし、今回のように、インタビュー収録に応じられる程度の体力を維持したまま、この先何年も、何十年も生き続けることは可能なのでしょうか? 次に、多くの視聴者が願ったであろう、麻央さんが今後も生き続ける条件について整理してみましょう。

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ステージ4の乳がんで、直接生死を左右しないもの

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「がんを告知されたら読む本」の著者・谷川啓司氏によれば、たとえ癌になったとしても、死の条件を満たさなければ死ぬことはないそうです。死の条件とは何でしょうか。

乳がんであれば、真っ先に乳がんの腫瘍、つまり、がんそのものが死の条件ではないかと考えがちです。確かに癌細胞はやっかいな性質を持っています。普通の細胞は決められた領域内で、自分の役割を果たす範囲でしか増えたり、再生したりすることはありませんが、癌細胞はそういった身体のルールを破り、見境なく増殖します。癌細胞が周辺に広がっていくことを浸潤といいます。



乳がんが浸潤するとどうなるかというと、比較的良く知られる例が、おっぱいの表面を突き破って露出する皮膚浸潤、皮膚転移と呼ばれる状態です。あまり良い言葉ではありませんが、花咲き乳がんという言い方もあるようです。腫瘍が皮膚をつき破ると、皮膚が正常に機能せずに浸出液と呼ばれる体液がにじみ出てしまいます。そして、不幸なことに悪臭を伴うのだそうです。

一説によると、昨年9月に麻央さんが手術を行ったのも、このような皮膚浸潤によって著しくQOL(生活の質)が低下し、これを改善するためだったとも言われています。これは、癌のやっかいな性質である浸潤がかなり進行してしまったケースですが、実は、乳がん自体がここまで悪化しても生命を脅かすかというと、そうでもないのです。

なぜなら、おっぱいは生命維持を担っていないからです。また、おっぱいはたとえ取ってしまっても死ぬことはありません。取ってしまっても平気なものの範囲内で癌が浸潤しても死なないのです。浸潤が生死を左右するのは、それが生命の維持に不可欠な脳、肺、肝臓などに転移してそこで浸潤が進んで、臓器の機能を奪ってしまった場合です。

以上から、乳がんそのものは死の条件にならないことが分かります。

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骨転移はQOLを低下させるが死因になりにくい

麻央さんの乳がんは骨と肺に遠隔転移をしています。それゆえにステージ4に分類されます。先にもふれたように、昨年末から現在まで続く再入院の原因は骨転移に伴う強烈な痛みだと考えられます。

ここまで麻央さんを苦しめる骨転移は、生命にとって深刻な脅威となるのでしょうか。



結論からいうと、骨転移そのものによって死ぬことはないそうです。理由はおっぱいにできた腫瘍のときと同じです。骨、特に脊椎は生命にとって非常に重要です。しかし、その役割は背骨の中を走る脊髄の保護と、体重を支えて行動するための強固な柱としての役割です。背骨が不安定になれば行動が制限されて、寝たきりになってしまう心配があります。しかし、たとえ寝たきりでも生存を続けることは可能です。

骨転移は強い痛みや行動の制限によってQOL(生活の質)を低下させますが、それだけで死をもたらすものではありません。もちろん、ちょうど寝たきりになった老人の体力が低下していき、認知機能も衰えていく……というように最終的に死期を早めてしまうことはあるでしょう。ここでは、骨転移だけでは、ただちに死の条件とはならないという点が重要です。

現在、麻央さんは骨転移の痛みに苦しめられていますが、それは主としてQOL(生活の質)低下の問題であり、生命維持の問題ではないことが分かります。

もうひとつ、骨転移の痛みを取り除くためにモルヒネをはじめとする大量の痛み止めを使用した場合、そのことによって死期が早まると考える人もいるようですが、別のところでふれたように、実際にはそのようなことはないそうです。

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肺転移は死因になる

小林麻央さんが公表している癌は、乳がん、骨転移、肺転移です。この内、最初の2つに関しては、たとえ進行してもそれ自体で死の条件を満たすことはないことを確認しました。

最後は肺転移ですが、こちらは肺にできた腫瘍が広がると生死を左右します。肺で腫瘍が増殖すれば呼吸を担う肺機能が低下し、ある程度の範囲までなら耐えられますが、肺機能が一定以下になれば死の危険があります。



麻央さんの癌に関して言えば、公表されている中では肺転移が最も危険だといえます。ただし、この点に関しては悲観的になる必要はなさそうです。なぜなら、昨年、放射線治療後に痛みが出てから受けた検査の結果が良好だったからです。

今日は
全身の検査をしました。

大きな悪化はなく
安心しました。

主治医の先生とお話して
心も落ちつきました。
(2016年12月10日「検査」より)

と、このように大きな悪化はないとしています。つまり、あらかじめ分かっている肺転移についても適切にコントロールされ、また、肝臓や脳といった、生命活動に直接関わる臓器への新たな転移もないということです。

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2回目の放射線治療で重篤な副作用が出ることも

先ほど骨転移そのものは死の原因とはならないことにふれました。しかし、骨転移の痛みを改善するための放射線を用いた緩和的な治療は、場合によっては生死を左右する副作用を伴います。

それは、背骨の中にある脊髄に放射線があたって放射線脊髄症を発症するケースです。放射線治療は痛みを取り除くのに非常に有効ですが、特に同一部位の2回目の照射においてはそのリスクが高くなることが分かっています。放射線脊髄症は治療の終了から12~15カ月後に発症することが多く、この時期までの生存が望める場合には、痛みを取ることを優先するか、それとも後遺症のリスク回避を優先するか難しい選択となります。なお、麻央さんは既に放射線による緩和治療を受ける決断をしています。



緩和のための放射線治療に関しては、たとえ痛みの軽減が成功しても、一年以上先まで細心の注意を要することが分かります。

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がん特有の悪液質による激やせは生死に関わる

おっぱいにできた腫瘍はそれ自体で死の条件となることはないと述べました。問題なのは腫瘍のできる場所が生命維持にとって重要かどうかです。ただし、そうはいっても、生命維持に関わらない臓器でならいくら腫瘍が増殖しても構わないかというと、そういうわけではありません。

体内に癌が増えると、「がん食欲不振悪液質症候群(CACS:cancer-related anorexia/cachexia syndrome)」につながることがあるからです。悪液質というのは、癌患者特有の体質のことで、激やせにつながるものです。がん細胞はタンパク質や脂肪を分解し、体に必要なエネルギーを浪費します。

その上、炎症性サイトカインと呼ばれる物質を作って体中に慢性炎症を引き起こします。体内のいたるところで炎症がおきると大量のエネルギーが使われて痩せてしまいます。食べ物の消化・吸収に関わる臓器に癌が転移したわけでもないのに、痩せていってしまうのは悪液質が原因だと考えられています。

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民間療法が仇となることも

癌治療の途中で亡くなってしまう要因としては、この他、科学的な根拠のない治療法や民間療法に傾倒してしまうケースが考えられます。必ずしもこうした治療そのものが有害でない場合でも、他に受けるべき治療をないがしろにした結果、死期を早めてしまうこともあるようです。

有名なケースはアップルの共同創業者 スティーブ・ジョブズ氏です。ジョブズ氏は膵臓がんを発症しましたが、玄米菜食を基本とするマクロビオティックに傾倒し、すぐに適切な治療を受けなかったともいわれてます。



麻央さんの場合、科学的な根拠が充分とはいえない方法も取り入れてるように見えます。世の中にはステージ4で癌が消えるような奇跡ともいえる例が存在しています。たとえ少数でもそのようなケースがある以上は、時間的・経済的条件が許せば試してみる価値はあるかもしれません。ただ、より優先すべき、(多くは標準的な)治療の妨げになるようでは、後悔してもしきれない結末を迎えてしまう可能性があることを知っておくべきでしょう。

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私たちがここで確認したことは、死の条件がそろわない限りはたとえ乳がんのステージ4であっても生きられるということです。

乳がんそのもの、そして骨転移は直接死の原因にはなりません。ただし、癌によってがん食欲不振悪液質症候群が引き起こされることもあるので体内に悪性腫瘍が沢山できる事態は、たとえ生命維持に関わる臓器でない場合でも長期的には好ましくはありません。また、骨転移の結果骨折が生じれば活動が制限され、寝たきりとなって体力や認知機能が低下する可能性があるため、骨転移が深刻であることに変わりはありません。



次に肺転移は生死を左右する可能性がありますが、現在のところコントロールされていることが分かっています。また、肝臓や脳といった重要臓器への転移はないものと思われます。このほか懸念されるのは、緩和のための放射線治療に重篤な副作用が伴う可能性があること。この点については担当医が無謀な選択をするとは考えにくく、また、麻央さん自身が熟慮の結果選んだことなので、メリットがデメリットを上回る公算が高いのではないでしょうか。上手くいくことを願いたいですね。

ステージ4では、たとえ体力があり元気な人でも、現状において治癒のための治療法がないというつらい現実があります。治療を望んでいるのに、治療法がない、受け入れ先がない、という人たちをがん難民というのだそうです。麻央さんも決して例外ではありません。現在は痛みを取るという目的があります。しかし、痛みのコントロールに成功したとしても次は何をしたらよいのか……。確信が持てないまま闘病は続くのです。

乳がんのステージ4でも果敢に治療を続ける麻央さんの姿は同じく病気と闘う人に勇気を与えることでしょう。ステージ4でも、治療の継続で癌の進行を抑えて10年、20年と生き続けられる人もいます。20年生存ともなれば確率的にはごく僅かではありますが、この調子で前向きに闘病を続け、気づいたら奇跡が起きていた……そんな未来を多くの人が望んだに違いありません。

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