バグパイプが原因?
バグパイプ奏者が過敏性肺炎で亡くなった原因は、楽器内で繁殖した菌やカビではないかといわれています。これは英国での出来事。
バグパイプとはスコットランドをはじめアイルランド、スペイン、トルコ、ポーランドなどで用いられる民族楽器です。口から空気を吐き出し続けることで息継ぎによる無音時間を無くす循環呼吸という特殊な奏法を用いるのだそうです。
常に呼気が入り込む楽器の中は湿気が多い環境に違いありません。肺炎につながる菌やカビが繁殖したとしても不思議はありません。
過敏性肺炎とは?
過敏性肺は、本来毒性をもたないカビや化学物質、有機物を繰り返し吸引することで、肺が過剰反応を引き起こして発症する肺炎。細菌やウイルスへの感染が原因となる一般的な肺炎とはこの点が異なっています。
特定の抗原をTリンパ球や白血球が攻撃することでアレルギー性の炎症が生じ、
・呼吸困難
・せき
・発熱
といった症状が現れます。最初は抗原を吸引したときだけに症状が出ますが、悪化すると抗原を吸引しなくても常にせきや呼吸困難を伴うようになります。
バグパイプを通じての発症は稀なケースではありますが、高温多湿の環境で菌が繁殖する状況下では同様のリスクがあると考えられます。
典型的なケースとしては、
・掃除をしていないエアコンや加湿器で発生したカビを繰り返し吸引する。
・風通しの悪い古い家屋に発生したカビを繰り返し吸引する。
・インコなどの鳥類を飼育しているとき、その排泄物に含まれるたんぱく質を繰り返し吸引する。
などがあります。
そして、今回の事例が示す通り、管楽器の中に発生した菌やカビを繰り返し吸引することも避けたほうが良さそうです。考えてもみれば、管楽器は呼吸と直接結びついています。そこにカビなどが繁殖したら、ダイレクトに吸い続けることに……。恐ろしいですよね。
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