12月11日は「胃腸の日」だそうです。「いに いい」(胃に良い)のごろ合わせから、2002年に日本大衆薬工業協会(現 日本OTC医薬品協会)が制定したものです。
胃腸はストレスの影響を受けやすい臓器。不規則な生活や精神的にプレッシャーのかかる状況は胃腸の不調をもたらします。はっきりとした原因が分からない胃腸のトラブルを「機能性胃腸障害」といいます。
機能性胃腸障害の原因はストレス
内視鏡検査を受けても炎症や潰瘍が見つかるわけでもなく、これといって原因がないのに胃腸の調子が悪くなるのが「機能性胃腸障害」(FGID:Functional gastrointestinal disorder)です。主な症状には次のようなものがあります。
・胸やけ
・胃痛
・胃もたれ
・便秘と下痢を繰り返す
・胃から酸っぱいものが上がってくる
・吐き気
・お腹の張りや腹痛
機能性胃腸障害の原因の多くはストレスです。腸管の神経と脳の自律神経はつながっており、互いに影響し合っています。緊張状態が続き、常に交感神経が高まった状態になると胃腸の不調が現れることが多いようです。交感神経は、物事に意欲的に取り組むときに重要な役割を担いますが、攻撃性が高まり、イライラや不眠の原因にもなります。一方、副交感神経は休息やリラックスと密接に関わっており、食べ物を消化するときに活性化します。ストレス社会はとかく交感神経優位になりがちです。意識的にリラックスを心掛けて副交感神経を働かせることでバランスを取り、胃腸のトラブル回避に努めたいですね。
食べ過ぎで胃の機能が低下!?
食べ過ぎは胃の機能を低下させる原因になります。食べ過ぎによって、胃もたれや吐き気が生じたら、しばらく胃を休ませるために食べる量を減らしましょう。食べる量を減らすことで胃の機能が回復し、不快な症状がおさまることも少なくありません。また、脂肪や香辛料は胃に負担をかけるので、胃腸の調子が悪いときは控えた方がよいでしょう。
機能性胃腸障害の治療は、不快な症状を抑えるための対症療法が中心です。治癒のためには、食べ方の習慣や社会生活におけるストレスのコントロールといった生活習慣の見直しが必要です。胃腸の不調を体のサインと受け止めて、生活習慣を見直してみるとよいかもしれません。もちろん、胃腸の不快な症状が癌などの重大な病気に由来していないとも限りません。