俳優・藤村俊二さん(81)は「動脈硬化」が原因で芸能活動を中止しているそうです。動脈硬化は心筋梗塞や脳梗塞を引き起こす要因になります。なかでも怖いのは動脈硬化によって作られる「血栓」だといわれています。
動脈硬化で怖いのは「血栓」
動脈硬化はゼロ歳のときにすでに始まっており、時間をかけて進行していきます。動脈硬化の危険性が高まるのは50~60歳以降といわれています。
動脈硬化とは、血管の内側に脂肪などが付着して血管が狭くなった状態です。血管が狭くなること自体も問題ですが、重大な疾患の直接的な原因となるのは、むしろ、血管に付着した脂肪などの堆積物が崩壊することで血中に流れ出る「血栓」です。血栓とは血の塊のこと。これが狭い血管に入り込むと、血管を詰まらせてしまいます。心臓の冠動脈を詰まらせれば心筋梗塞、脳の血管を詰まらせれば脳梗塞を引き起こす要因になります。
動脈硬化、5つの危険因子
次に挙げるのは動脈硬化を進行させる危険因子です。当てはまる項目が多いほどリスクが高くなります。
《高血圧》
血圧が高いと血管にストレスを与え、動脈硬化を進行させると考えられます。収縮期血圧140mmHg以上、拡張期血圧90mmHg以上になるとリスクが高くなるといわれています。
《高脂血症》
血液中の脂肪が多い高脂血症も動脈硬化の危険因子です。総コレステロール値220mg/dl以上、LDLコレステロール値140mg/dl以上、HDLコレステロール値40mg/dl以下でリスクが高いといわれています。
《喫煙》
喫煙は血管を収縮させる働きがあり、また、血が固まりやすくなるので血栓症のリスクを高めます。1日20本以上タバコを吸う人は、狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患の発生率が50~60%高くなるそうです。
《肥満》
肥満は、高脂血症、高血圧、糖尿病といった他のリスクを伴うことが多く、動脈硬化の進行を防ぐには適切な体重管理が大切だと考えられています。
《糖尿病》
糖尿病は全身の血管の状態に悪影響を与えます。糖尿病にかかると、虚血性心疾患、脳血管障害、大動脈硬化、首の動脈の肥厚、閉塞性動脈硬化症(下肢)などさまざまなリスクが高くなるといわれています。
動脈硬化は生まれた直後から始まり、加齢とともに誰にでも少なからず認められるものです。また、男性の方が進行しやすいという特徴もあります。年齢や性別は変えようがありませんが、上に見た5つの危険因子についてはコントロールが可能です。動脈硬化は複数の要因がからみあって進行するといわれています。逆に言えば、危険因子を1つでも改善できれば全体的なリスクの軽減を期待できます。健康的な生活を心がけ、改善できるところから少しずつ取り組んでいきたいですね。
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