クリスマスになると普段あまりケーキを食べないという人もクリスマスケーキを口にすることが多くなります。その人が、ケーキを食べる習慣はないが、運動をする習慣があるとすれば、少し気をつけなければなりません。「インスリンショック」……、それは血糖値の乱高下が引き起こすショック状態。スポーツの世界ではしばしば注意が促されています。
糖分を摂った直後の運動は危険
ケーキやジュースなど多量の糖分を含む食べ物や飲み物を摂取し、20~30分後に激しい運動をすると、低血糖状態に陥る心配があります。糖分の摂取によって血糖値が上がると、これを下げるために膵臓からインスリンが分泌されます。血糖値の上昇が急激であるほど、インスリンの分泌量も増えます。急激に上がった血糖値が、今度は急激に下がることになります。これがインスリンショックです。
スポーツでは、試合の30分前頃からの糖分摂取に十分な注意が必要です。試合中にインスリンショックが起きると、血糖値の低下のために意識を失うこともあるそうです。クリスマスケーキを食べて、その直後に運動をすると、スポーツにおけるインスリンショックと同じことが起きてしまう心配があります。
運動中の糖分摂取はOK
試合直前の糖分摂取には危険が伴いますが、運動を開始した後の糖分摂取なら大丈夫です。運動中に急速に失われていくエネルギーを補うことは、パフォーマンスの向上や運動を終えた後の回復に良い影響を与えてくれます。運動中は興奮を促すアドレナリンが盛んに分泌され、アドレナリンの働きでインスリンの分泌が抑制されるためです。
なお、糖分のなかでも果物に含まれる果糖はインスリンの急激な分泌を引き起こさないそうです。運動前に摂るとすればショ糖やブドウ糖よりも果糖が良いといえます。とはいえ、果糖だけを選んで摂ることはなかなか難しいでしょう。糖分を含む多くの食品にはさまざまな糖が混合されているからです。ましてクリスマスケーキの場合、沢山食べれば間違いなく血糖値の乱高下が起きるでしょう。くれぐれもケーキを食べた直後の激しい運動は控えるようにしましょう。
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