ヒラリー氏 搬送の原因は肺炎
ヒラリー・クリントン氏が同時多発テロ式典中に倒れ病院に搬送されたのは9月11日のこと。このとき、かねてから噂のあったアルツハイマー病ではないかとの声がネットを中心にささやかれました。
※多くの医師が認めるところによれば、現在はパーキンソン病説の方が有力だそうです。当記事はアルツハイマー病に着目しており、最新の情報に基づくものではないことをご了承ください。
その後、ヒラリー・クリントン氏の病名は肺炎であることが報道されました。ヒラリー・クリントン氏は9日に肺炎と診断されていたといいます。
このことから、ヒラリー・クリントン氏は「アルツハイマーではなく肺炎だった」と受け止めることができます。
ところで、「アルツハイマーであると同時に肺炎でもあった」または「アルツハイマーだったために肺炎になった」という可能性はないのでしょうか。
「肺炎」という診断はアルツハイマー説を否定するものなのか、それとも否定も肯定もしないのか、さらには肯定してしまうものなのか気になるところです。
アルツハイマーによる誤嚥性肺炎問題
認知症の原因の中でも多数派を占めるアルツハイマー病。認知症全般に言えることですが、特に危惧されているのが誤嚥性肺炎です。これは細菌を含む唾液や食べ物が肺に入ってしまうことで起きる肺炎で、高齢者の死亡原因となることが多い疾患です。
認知症になると食べ物を飲み込む能力が低下して、誤嚥(誤って飲み込むこと)のリスクが増大するようにも感じますが実際のところでどうなのでしょうか。
これについて、厚生労働省のMindsでは、
「肺炎は認知症患者の予後を左右する臨床上の問題であるが、認知症患者における肺炎の発症に誤嚥が関与しているという根拠は明らかでない」
としています。
また、「むしろ栄養不良や免疫力低下」などが問題であると指摘しています。
肺炎リスクは抗精神病薬で増大する
アルツハイマーと肺炎が関連するとすれば、アルツハイマーに使用される副作用の注目する必要があるでしょう。
中でも、抗精神病薬は合併症のリスクがあることで知られています。
抗精神病薬を使用したときに生じる可能性がある症状には、
・発熱
・手のふるえ
・しびれ
・目の焦点が合わない
・汗をかく
・唾液の分泌が増える
などがあります。
また、主な合併症には、
・肺炎
・腎不全
・神経症状
があり、中でも最も多いのは肺炎だとされています。
薬によって筋肉が固まり、呼吸に影響を与えることで生じると考えられています。
このように肺炎とアルツハイマー病はある程度関連してはいます。ただ、ヒラリー・クリントン氏にそれが当てはまるかというとそれはまた別問題。誤嚥性肺炎に関しては介護が必要な段階で問題になるものです。抗精神病薬に関しては不安、うつ症状、幻覚、妄想といった症状に対して処方されます。
報道によれば、「順調に回復している」ということなので、ヒラリー・クリントン氏の場合はここで取り上げた事例よりも軽度なものといえるでしょう。