カゼかと思っていたら治らない、だんだん咳がひどくなる、という場合は喘息を疑う必要があります。喘息は遺伝の影響も大きく、両親に喘息がある場合の発病リスクは3~5倍になるそうです。ダニ、カビ、ペットなどが発症の引き金となることが多く、喘息の改善や予防のためには、部屋の清掃と換気によって、こうした要因を取り除くことが大切です。
喘息はどのように進行するのか
喘息の悪化には4つの段階があります。
最初は咳や呼吸困難が出ても短い時間で治まります。頻度も週1~2回、、夜間の症状がでるのは月1~2回程度です(ステップ1:軽症間欠型)。
次に、症状が週に2回以上出るようになり、夜間に症状が出て睡眠が妨げられることも月に2回以上起きるようになります(ステップ2:軽症持続型)。
症状が慢性化してくると、週に1回以上、夜間の症状によって睡眠が妨げられるようになります(ステップ3:中等症持続型)。
最終的には症状が続くようになり、頻繁に夜間の症状が出るようになります(ステップ4:重症持続型)。
症状を悪化させてしまう一番の原因はカゼだそうです。喘息の人は慢性的に喉の炎症を抱えていますが、カゼでウイルスが入ることで炎症がさらに悪化してしまうためです。カゼには特に注意が必要です。
喘息の治療には、炎症を抑える成分を含む「コントローラー」という薬と、発作が起きたときに症状を止める「レリーバー」という薬を用います。喘息は長く付き合う必要のある病気ですが、医師の指導のもとで適切に薬を使用すれば、症状を抑えて日常生活を送ることが可能です。
動物との接触が与える影響
子どもの喘息に関して、スウェーデンである研究が行われました。Tove Fall氏をはじめとする研究グループは、生後1年以内に犬や家畜と接触することで、小児喘息の発症にどのような影響が出るのかを調べました。その結果、次のことが分かりました。
・就学前の児童…犬との接触の影響はあまり見られず、3歳以上でわずかに影響が見られるものの、3歳未満では動物と接触のない子供と差がなかった。一方、家畜との接触においては、喘息リスクを31%低下させることが分かった。
・就学後6歳頃の子供…犬との接触で喘息リスクが13%低下、家畜との接触で喘息リスクが52%低下することが分かった。
以上から、動物との接触が喘息発症に与える影響は、3歳頃の発症に関しては比較的小さいが、6歳頃の発症に関しては比較的大きいことが分かりました。また、犬と家畜ではかなりの差があることも分かりました。
子どものころから無菌状態で育つよりも、ある程度ちりやほこりと接した方が病気になりにくいようです。このような考え方を「衛生仮説」というのだそうです。よく言われることですが、子供の衛生管理に几帳面になりすぎる必要はないのかもしれません。
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