喉の痛みときいて真っ先に思い浮かぶのは甲状腺がんではないでしょうか。乳がんは甲状腺に転移しやすいがんのひとつ。少し心配です。小林麻央さんの甲状腺がんリスクについて見てみましょう。
麻央の喉の痛み…乳がんと甲状腺がんの関係
甲状腺がんは男性よりも女性に多いという特徴があります。その上、乳がん治療を受けている人の方が発症リスクが高くなるという報告もあります(After Breast Cancer Diagnosis, Risk of Thyroid Cancer Goes Up)。
この研究では乳がんと甲状腺がんに関して、1973~2011年の米国9地域の登録データを調査しています。乳がんの甲状腺への転移ではなく、新たに甲状腺がんを発症する人についての分析となっています。
その結果、
乳がんのみの人…約70万人
甲状腺がんのみの人…約5万人
乳がん後に甲状腺がんを発症した人…約1500人
となりました。
気になるのは、乳がん後に甲状腺がんを発症した約1500人の持つ傾向です。報告によれば、乳がんでない人が甲状腺がんになる確率よりも、乳がんの人が甲状腺がんになる確率の方が高くなったそうです。
そして、乳がんの後で甲状腺がんになった人には、乳がんの中で最も多い浸潤性乳管がんで、腫瘍が小さく、放射線治療を受けているという傾向が認められました。なお、小林麻央さんも該当する「ホルモン受容体陽性」や「リンパ節転移」は甲状腺がんの発症に影響しなかったそうです。
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小林麻央の症状は甲状腺がんによるものではない?
このように、乳がんであること、そして乳がんの治療を受けていることは、甲状腺がん発症のリスクを高めると考えられます。しかし、喉の痛みを訴えている小林麻央さんが甲状腺がんである可能性は低いと見てよいでしょう。
がん研有明病院HPの甲状腺がんの項目は、「のどの違和感」の症状と甲状腺がんが結びつくことは稀であるとしています。実際、同院にはのどに違和感を感じて、甲状腺がん、喉頭がん、食道がんなどを心配する人が来院するそうです。しかし、その多くは神経的なものが原因で、ストレスを避けるといった対処が一番だとしています。初期の甲状腺がんが原因でのどに症状が出ることはないそうです。
そもそも甲状腺は気管にはりついてはいますが、のどの粘膜の外にあるわけで、甲状腺がんが小さいうちに、のどの症状が出るはずはないのです。
もし、本当にがんを発症している場合は、液体よりも固形物を飲み込むときにつかえるとのこと。
とりわけ下記に該当する場合は、がんの可能性は低いと見てよいそうです。
・唾液や水がつかえる感じはするが、食事は普通に食べられる
・物事に集中しているときには、のどの違和感をあまり感じない
・半年以上にわたり症状に変化がない
以上から、小林麻央さんの喉の症状は甲状腺がんであるよりも、ストレスをはじめとする他の要因によるものであると考えられます。