エコーやCTを用いたがん検査は、5ミリ~1センチ以上の腫瘍を対象としています。これよりも小さい、超早期のがんはどのように発見すれば良いのでしょうか。
「循環がん細胞」を調べる方法
がんの塊が1.5ミリ以上になると、その痕跡が血液の中に現れます。血液中に「循環がん細胞」と呼ばれる小さながん細胞が放出されるのです。もちろん、これをCTやエコーによる画像診断で見つけることはできません。血液検査で循環がん細胞を調べれば、例えば、がんの手術を行った後に再発が生じていないかどうかをいち早く確認することも可能です。遺伝子検査は5ミリ以下の超早期がんのリスクを判定できる検査です。こちらも血液検査で調べることができます。遺伝子異常の現れかたは胃、肺、肝臓などの臓器によって異なるため、どこでがんができている可能性が高いかを判定することができます。
「ヌクレオソーム」の量を調べる方法
医療機器会社「マイテック」と昭和大学江東豊洲病院は血液中の「ヌクレオソーム」に着目した新しい検査を開発しました。がんが免疫によって攻撃されると血液中にヌクレオソームが溶け出ると考えられます。特殊な金属チップに血液を付着させ、紫外線を当てて蛍光顕微鏡で観察すると、ヌクレオソームを多量に含むがん患者の血液では発光しますが、良性腫瘍の患者では発光しません。この特性を利用し、がんのスクリーニングに役立てる研究が進められています。がんは早期に発見するほど治療による負担が少なくて済み、生存率も向上します。血液検査によるがんの早期発見の技術に期待が集まっています。
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