熱中症の原因は無給水だった
熱中症による死亡事故が起きました。奈良県の中学校で、35分間のランニングを行った部活動中の生徒が死亡。原因はランニング中に水分を補給しなかったためではないかと考えらえています。
報道によると、通常は15分で給水としていたが、これが守られていなかったとのこと。給水は熱中症予防の基本中の基本ですが、生徒の死因が腎不全とされていることから、横紋筋融解症だった可能性も考えられます。
無給水はだめ! 熱中症による横紋筋融解症
横紋筋融解症とは、筋肉の成分が血中に溶け出し、腎臓に負担をかけて腎臓障害を引き起こす病気。横紋筋融解症の原因はさまざまで薬剤によるものもありますが、夏場に注意しなければならないのが炎天下での運動です。
次の要因が重なると横紋筋融解症が起きやすくなるといわれています。
・強い運動負荷
・脱水
・もともと腎機能や甲状腺機能が低下している
・熱中症による深部体温の上昇
炎天下で生徒を運動させた場合、上記の要因がいくつも重なり合ってしまいます。当然のことですが、こまめに水分補給をすること、休み休み行うこと、熱中症が疑われる症状が現れたら直ちに中止し、涼しい場所で休むことが大切です。
腎不全を引き起こす横紋筋融解症の症状
横紋筋融解症には次のような症状があります。
・赤褐色の尿
・倦怠感
・筋肉痛
・発熱
決定的なのはコーラのような色をした尿です。これは筋肉に含まれるミオグロビンという色素が溶け出ることで起きる現象。このとき血液をろ過する働きを持つ腎臓に非常に大きな負担がかかっています。
横紋筋融解症は死にいたる危険のある病気ですが、急死したり、倒れたりするケースばかりではありません。炎天下での運動をやりとげた後に、もし、上記のような症状が現れたら注意すべきです。横紋筋融解症は病院での血液検査で調べることができます。