元グラドル・川村ひかるさん「脳動脈瘤」の手術せず、破裂の確率はどれくらい?

グラビアアイドルとして活躍し、婚約が報じられた川村ひかるさんは「脳動脈瘤」を告白しました。脳動脈瘤というと少し聞きなれない病気のような気がしますが、「クモ膜下出血の原因」といえば分かりやすいと思います。クモ膜下出血は、脳の血管に瘤ができる脳動脈瘤の破裂によって引き起こされます。クモ膜下出血は死亡率が高く、助かった場合でも重い後遺症が残る可能性が高い怖い病気です。その原因が見つかっても手術をしないのはなぜでしょうか?

脳動脈瘤が破裂する確率

日本脳神経外科学会は未破裂脳動脈瘤の自然経過を調べる調査(2001年1月~04年4月)を行い、「New England Journal of Medicine」誌に発表しています。この調査は未破裂脳動脈瘤と診断された成人5720人を対象とするもので、経過観察中に111人がクモ膜下出血を発症したといいます。この研究によって次のことが分かりました。

・年間平均出血率は0.95%
・動脈瘤が大きいほど破裂のリスクが高い

大きさと破裂リスクの関係については最大径が3~4mmの小型動脈瘤と比較した場合、
・7~9mm……3.4倍
・10~24mm……9倍
・25mm以上……76倍
となりました。25mm以上でリスクが跳ね上がっているのが分かります。この大きさであれば積極的に手術を検討する必要があるでしょう。しかし、動脈瘤が破裂する確率は全体として見ても1%以下、小さいものについてはさらに確率は小さくなります

脳動脈瘤の手術にはリスクが伴う

いくら破裂の確率が低いからといっても、クモ膜下出血がひとたび起きれば生死に関わります。確率が低いだけなら、多くの人が手術を希望するはずです。脳動脈瘤が発見されても、すぐに手術を行わないのには、もっと重要な理由があります。それは、手術に少なからず危険が伴うからです。

動脈瘤の手術には、クリッピング術(開頭手術)とコイル塞栓術(脳血管内治療)の2つがあります。クリッピング術は、外科手術で頭を切開し、問題となる脳の血管を目視しながら、瘤の根元をクリップで締め付けて血流を途絶えさせる手術です。コイル塞栓術は、血管を通じてカテーテルを脳内に送り込み、瘤の中にプラチナ製のコイルを詰めて破裂を防ぐ手術です。このような説明を聞いただけでも、「治療を積極的に受けたい」という気持ちにはなかなかなれないのではないでしょうか。何しろ、アプローチするのは脳内です。何をきっかけに後遺症などのトラブルが生じるか分からない、と不安を感じて当然ですよね。

実際には、技術の進歩によって後遺症の可能性はかなり軽減していますが、リスクはゼロではありません。破裂するかしないか分からない疾患のために、わざわざリスクを取るかどうか……非常に悩ましい問題といえます。破裂が心配される大きさでなければ、手術を控える人は大勢います。また、手術を選択する場合でも、開頭が必要なクリッピング術ではなく、カテーテルで行えるコイル塞栓術を選択する人が多いそうです。この辺の心理についてはよく理解できます。誰だって、頭蓋骨を開くような手術は避けたいと思うでしょう。ただし、開頭による身体的なダメージの有無という点は異なるものの、後遺症を含む合併症のリスクに関しては、クリッピング術とコイル塞栓術は同水準とのことです。

脳動脈瘤の手術には少なからずリスクが伴うため、手術を行うことのメリットがデメリットを上回るかどうかの判断が重要になります。脳動脈瘤が大きく、破裂の危険性が高いときは、手術を行うことのメリットがデメリットを上回るでしょう。

なお、小さな脳動脈瘤の場合でも、成長のスピードが早い、いびつな形をしている、という場合は破裂のリスクが高くなるのだそうです。従って、脳動脈瘤の個々の性質の違いや、変化の様子にも注視しなければなりません。

さて、川村さんが選択したのは「経過観察」でした。これは単なる消極的な対応とは異なります。脳動脈瘤の変化に注意し、危険な兆候が現れたらすぐに手術を選択できるように備えている状況といえます。危険性が低ければ、手術はせずに経過観察を継続します。割合としては、一生手術をせずに済む人の方が多いのです。脳動脈瘤の破裂の可能性は全体として見た場合でも1%以下。小さな脳動脈瘤であれば確率はもっと低くなることを知っておきましょう。そして、手術を行うかどうかは、適切な診断のもとで、医師とよく相談して決めることが大切です。

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