長谷川豊 人工透析患者を揶揄
長谷川豊さん(元フジテレビアナウンサー)の19日付けのブログタイトルは過激だった。
そのタイトルとは、
「自業自得の人工透析患者なんて、全員実費負担にさせよ!無理だと泣くならそのまま殺せ!」
いかにも怒られそうな内容……。
当然のことながら批判が相次ぎ、全国腎臓病協議会(全腎協)は23日に抗議文を公開。謝罪を要求しているが、長谷川さんは断固拒否する構えだとか。
人工透析の種類と原因
長谷川豊さんが人工透析患者に「そのまま殺せ!」とまでいう理由は大きく2つ。
・人工透析患者が増えることで国の医療費が増える
・人工透析を必要とする患者は、自分自身の怠惰が原因で自業自得
長谷川豊さんのいう人工透析患者というのは、糖尿病腎症をきっかけにして人工透析を必要とするようになった患者で、とりわけ2型糖尿病を原因とする患者のことを指していると思われます。
なお、人工透析の原因には次のような疾患があります。
<糖尿病腎症>
人工透析のきっかけとなる疾患としてもっとも多いのは糖尿病腎症。生活習慣の影響を受けた2型糖尿病も含むため、患者の生活スタイルと関係が深いのは事実か。
<慢性糸球体腎炎>
原因は分かっていないが感染症をきっかけとすることが多い。例えば、扁桃腺炎にかかって喉から抗原が体内に入り、IgAという抗体が作られることで発症するケースがある。
<腎硬化症>
主として長年の高血圧が原因で、腎臓の細動脈に動脈硬化が起こり腎機能が低下する。
人工透析の原因第1位は糖尿病腎症
少し古いデータになりますが、日本透析医学会が2009年に新たに透析療法を開始した患者について報告しています。
それによると、
糖尿病腎症……44.5%
慢性糸球体腎炎……22.0%
不明……10.6%
腎硬化症……10.7%
となっています。
長谷川豊さんがターゲットとしているのは2型糖尿病を原因として人工透析をはじめた人だと思われます。長谷川豊さんの見解の是非はともかく、そのターゲットが人工透析全体の中でみてもボリュームゾーンであるのは確かそうですね。
ただ長谷川豊さんはこうも主張しているそうです。
・本当に苦しんでいる方たちは負担ゼロ円でいい
・グレーゾーンは全部救ってもいい
何も、すべての人工透析患者が自業自得であり、そのまま殺せばいいと主張しているわけではないようです。あくまでも本当に怠惰で人工透析治療が必要になった自業自得の人(そしてその割合は決して低くないと思われる)まで全員救っていたら医療費がいくらあっても足りなくなるといっているのですね。
この爆弾発言。仮にそれが怠惰のためだったとしても既に病気で苦しんでいる人を責めるのは、心情的に共感できない人が多いのではないでしょうか。ただ、これから怠惰ゆえに人工透析治療に進んでいく人を戒める発言と受け取る限りは、部分的に賛同する人もいるのでは? 多少なりとも長谷川豊さんに味方はいるのではないでしょうか。