元おニャン子クラブの新田恵利さんが、脳動脈瘤の手術を受けられました。新田さんは2013年に脳動脈瘤が見つかった後、すぐに手術をせずに経過観察を続けていました。
同じく脳動脈瘤が見つかって経過観察を続けている女性に川村ひかるさんがいます。川村さんは引き続き経過観察を続けているのに対して、新田さんは手術に踏み切りました。2人の違いはどこにあるのでしょうか。
脳動脈瘤の手術を選択する場合
脳動脈瘤で手術が勧められるのは次のような場合です。
・脳動脈瘤の最大径が5mm以上
・70歳以下
・全身状態の悪さなど手術を妨げる要因がない
川村ひかるの場合は、恐らくは5mm以下か、5mmを大きく上回らない範囲から大きくなっていないのでしょう。新田さんに関しても、2013年4月10日時点では3~4mmで手術を勧められる大きさを下回っています。しかし、新田さんの脳動脈瘤は大きくなりました。手術を勧められるのは5mmを超えた場合ですが、大きくなる勢いも考慮されます。5mmを超えていても大きくなる勢いが弱ければそのまま経過観察ということもあったでしょう。新田さんの場合は変化が急だったのかもしれません。そして、手術が必要と判断された重要な要因と思われるのが形です。
「私の腫瘍はハート型になっていたのです」
新田さんはブログに脳の血管造影画像をアップし、「私の腫瘍はハート型になっていたのです」とコメントを加えました。画像を見てみると、確かに血の塊のように見えるところがハート型をしているのを確認できました。
しかし、それは言われてみれば「ハート型」に見えるという程度で、何の先入観も持たず、「ハート型だ」と気づくことはなかったと思います。これは新田さん自身も同じで、医師から「ハート型になっている」と説明を受けていたのでしょう。
新田さんのハート型はたまたまそういう形になったわけではありません。実は、ハート型というのはいびつな脳動脈瘤のひとつの典型なのです。丸い規則的な脳動脈瘤の形が崩れるとハート型になることが少なくありません。「ハート型の脳動脈瘤」というのはよく使われる言葉であり、そしてそれは悪い意味で用いられます。
そもそも脳動脈瘤が危険なのは血管が破れやすく、くも膜下出血を引き起こすから。大きさは代表的な危険性の尺度となります。また、大きくなる勢いも危険性の尺度になります。そして、形も重要です。同じような大きさでも均一な形の脳動脈瘤といびつな形の脳動脈瘤では破裂のリスクが異なります。形がいびつであるということは、瘤状に膨れ上がった血管の壁の厚さも均一ではないと思われます。また、中を流れる血流も不規則で、血管の壁の一部分だけに負担がかかるような流れ方をしているかも知れません。
以上から経過観察を続ける川村さんと、手術を行った新田さんの違いを推測すると次のようになるでしょう。
・新田さんの脳動脈瘤は5mm以上なのに対して、川村さんは5mm以下か、もしくは大きくなる勢いが弱い
・新田さんはハート型の脳動脈瘤なのに対して、川村さんは均一な形の脳動脈瘤である可能性が高い
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