世界の山ちゃんといえば手羽先で知られた居酒屋。その創業者である山本重雄氏が21日、解離性大動脈瘤で亡くなりました。山本氏はまだ59歳という若さでした。
解離性大動脈瘤は、体の中で最も太い大動脈に起きる病気で、予後の悪さで知られています。大動脈瘤には、血管の内側が瘤状に膨らむタイプと、血管の内側が剥がれるタイプとがあり、共に高血圧が危険因子とされています。
世界の山ちゃん エグゼクティブも要注意
解離性大動脈瘤の予防で重要になるのは血圧です。血圧が高い状態が続くと、それだけ血管が傷つく可能性が高くなります。そして、異常が生じた血管が破裂する不幸なイベントを引き起こすのも高血圧です。
血圧は一日のなかでも大きく変動しており、一般的には朝方が高いといわれています。そして、ストレスが重なると大幅に上昇して、突然死の要因ともなります。
大動脈瘤の怖いのは、普段元気そうな人が突然襲われるところ。企業のトップなど、仕事をバリバリとこなす人は元気なイメージがありますが、抱えたストレスは図りしません。血圧が高くなるのは、強いストレスに打ち勝ち、身体をフル稼働させるためです。こうした状態に身体が悲鳴をあげ、若くして亡くなるというケースは少なくないといいます。エグゼクティブほど大動脈瘤に注意が必要かも知れませんね。
山本重雄氏を襲った「解離性大動脈」を防ぐには?
山本重雄氏を襲った「解離性大動脈」を防ぐにはどうしたらよいのでしょうか。
まず、健康診断で高血圧を指摘されている人は要注意。運動不足の解消、ストレスの軽減、禁煙、塩分の摂り過ぎ注意といった、血圧を安定させるための習慣作りに取り組みたいところ。
その上で、突然死を引き起こすイベントの発生を回避することが大切です。盲点となりやすいのが排便と睡眠です。
<排便の注意点>
排便のときにいきむ時間が長くなると血圧が上昇します。これを防ぐには、毎日トイレに行く時間を決め、便意がなくても排泄を試みること。その際、無理にいきまないことが大切です。忙しくて朝食を抜いてしまう人もいると思いますが、簡単な食事でも良いので朝に何か食べておくと、消化器官が刺激されて便秘解消につながります。
<睡眠の注意点>
バリバリと仕事をする人は、睡眠時間を削って働き、4~5時間しか眠っていないというケースも多いでしょう。しかし、このような生活を毎日続けるのは危険です。ただでさえ強いストレスに対抗して頑張っているのに、その上、睡眠時間まで削ってしまうと身体が回復するひまがありません。ストレスの影響が残った状態で次々にストレスにさらされると身体のダメージも大きくなります。
山本重雄氏のご冥福をお祈りいたします。また、特にバリバリと仕事をこなす若きエグゼクティブの方々には、くれぐれも体をいたわっていただきたいと思います。
大動脈解離…梅田暴走事故はドクターヘリ搬送の笑瓶と同じ病気か