ブンブンサテライツの川島道行 脳腫瘍で死去
ブンブンサテライツの川島道行さんが10月9日、脳腫瘍のため亡くなりました。川島道行さんは脳腫瘍と戦いながら活動を続けてきましたが、新たな再発が見つかったため、6月22日発売のアルバム「LAY YOUR HANDS ON ME」を最後に活動を終了すると発表していました。
メンバーの中野雅之さんによれば、川島さんは「正確な意志の疎通が難しい」状態だったそうです。また、「失語症」を連想させるいくつもの症状がありました。
脳腫瘍の川島道行 生前に失語症の可能性は?
中野さんによれば、川島さんは「言葉はゆっくりですが話せます」とのこと。以前にくらべて話すのがゆっくりになっているのは、重度ではないかもしれませんが、典型的な脳腫瘍の後遺症のひとつといえます。
脳の中では、左側頭葉のウェルニッケ野と前頭葉のブローカ野が言語機能を担っています。脳腫瘍ができると、言語機能を担う脳の一部が圧迫されたり損傷したりして言語機能が低下します。
失語症は、大きく「運動性失語」「感覚性失語」「健忘失語」「全失語」に分類されます。この内、運動性失語はたどたどしい話し方になり、口数も少なくなります。聞いて理解することはできても、自ら話すことが難しくなります。川島さんの話し方がゆっくりになったのは、運動性失語によるものなのかも知れません。
「健忘失語」の可能性
その他の失語症タイプについても見てみましょう。
<感覚性失語>
流暢に話すことができ、本人に自覚はないのですが、言っている内容の意味が分かりにくかったり、言い間違いがあったりします。
<健忘失語>
日常会話に問題はありませんが、物の名前を思い出せなかったり、適格な単語を選ぶことができず、まわりくどい言い方になります。
<全失語>
会話の内容を理解することも、自ら表現することも困難になります。
感覚性失語や全失語は川島さんには当てはまらないように思われます。物の名前が思い出せずに話し方がゆっくりになることがあるので健忘失語については当てはまるかも知れません。
失語症になると、物事を理解するのに集中力を必要とし、とても疲れやすくなります。作曲、演奏、レコーディングなどのひとつひとつに大きな努力が必要だった可能性が高いです。BOOM BOOM SATELLITESの活動停止、そして川島道行さんの死は非常に残念ですが、最後に作り上げたアルバムはアーティストとして生きた証といえるでしょう。