男子サッカーアジア選手権出場のためにドーハ入りした日本代表主将のMF遠藤航選手がインフルエンザに罹っていました。1月4日、日本サッカー協会の発表によって明らかになったものです。6日、7日の強化試合は欠場する見通しとのこと。日本は13日に初戦となる北朝鮮との対戦を控えています。遠藤選手が体調不良を訴えたは3日とのことなので、発症からちょうど10日後となります。間に合うのでしょうか?
インフルエンザは10日あれば回復する可能性が高い
インフルエンザからの回復を担うのは体の免疫反応です。免疫機能が未熟な子供や体力の低下した高齢者にとってインフルエンザは非常に危険な感染症ですが、体力の充実した大人であれば多くは自然に回復します。基本は安静にして、水分や栄養を摂って体力を低下させないように努めること。一般的には、大人の場合、1週間程度かけて回復していきます。
試合を直前に控え、練習や移動による疲労はあるでしょうが、インフルエンザに対抗する体力が遠藤選手に不足しているとは考えにくいのではないでしょうか。初戦に出場するかどうかの判断は別として、10日あればインフルエンザから回復する可能性は十分にあるといえます。
カゼとの違い…インフルエンザには特効薬がある!?
インフルエンザはカゼと似たところがあります。発熱、悪寒などの症状、そして、基本的に安静にし、熱などの症状を抑える対症療法を中心とした治療を行うという点です。
しかし、異なる点もあります。カゼに比べてインフルエンザは高熱が出て、症状も重くなりがち。カゼは少しずつ悪化していきますが、インフルエンザは短期間で急激に重症化することがあります。また、カゼのように鼻水やくしゃみ、のどの痛みなどが出にくい一方、全身の倦怠感、筋肉痛、重い悪寒といった症状に特徴があります。
もうひとつ重要な点があります。よく、「カゼに特効薬はない」と言われますが、インフルエンザに関しては「塩酸アマンタジン」や「ノイラミニダーゼ阻害剤」といった特効薬といってもいい抗ウイルス薬が開発されています。先ほど、10日あれば回復する可能性は十分にあることにふれましたが、これは自然治癒の場合です。薬の効き目には個人差があるものの、上手く作用すればさらに短い期間で回復することも考えられます。ただし、抗ウイルス薬を発症から48時間以内に投与することが条件となります。
インフルエンザは人から人にうつる感染症です。心配されるのはチーム内の他の選手への感染です。前述の「ノイラミニダーゼ阻害剤」は、感染者と同居する家族などの感染を防ぐために予防的に投与することができますが、それには高齢であったり、特定の持病があったりといった条件を満たす必要があるので、日本代表の若い選手たちは、症状が現れていない限りは適用とならないでしょう。遠藤選手の早期回復と、他の選手への感染の防止を願いましょう。
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