乳がんは若い女性が亡くなる原因にもなります。乳がんで亡くなる女性は増えており、実際、30歳~64歳の死亡原因の1位は乳がんとなっています。厚生労働省によれば2016年における乳がんによる死亡数は14万人を超えています。35年前に比べて3倍以上にも増えているそうです。「あのとき、あの症状にもっと関心を向けていれば」と、後悔しないためにも、乳がんの症状について知っておく必要があります。
乳がんの症状 「痛み」「しこり」が受診のきっかけに
乳がんの症状としてまず思い浮かべるのは「痛み」ではないでしょうか。乳腺の腫瘍が成長すればきっと痛みが出るに違いないと考える人は多いはずです。例えば、タレントの北斗晶さんは定期的にマンモグラフィーと超音波検査を受けていましたが、あるとき胸にチクッとした痛みを感じて検査を受け、乳がんであることが分かりました。
次に「しこり」も乳がん発見のきっかけになりやすい症状です。元アナウンサーの小林麻央さんは、人間ドックで検査を受けたとき5分5分の可能性で乳がんであると指摘されましたが再検査では「異常なし」。その後、半年以上検査を受けずに過ごし、あるとき子供と遊んでいるときに自分で胸のしこりに気が付きます。小林麻央さんはしこりのことをパチンコ玉に例えています。検査の結果は乳がんで、この時点でリンパ節転移を伴うステージ2以上だったといわれています。小林麻央さんの場合、タイミングが遅れてしまいましたが、しこりの症状に自分で気づいたことが乳がん発見のきっかけになっています。
乳がんの症状で「痛み」は少ない
少し意外ではありますが、乳がんの症状として痛みが出ることは稀なのだそうです。この点、北斗晶さんはレアケースだったということになります。乳房に痛みが出ることを乳房痛といいますが、その原因の多くは乳腺症や良性腫瘍です。そのため、初期症状としての乳房の痛みに対して医師は、「痛みがあるなら乳がんではない」と判断することもあります。
乳がんの症状には「しこり」が多い
乳がんの症状で多いのは痛みを伴わない「しこり」です。ちょうど小林麻央さんが、ふとした瞬間に自分の手でふれたときに初めてしこりに気づき、決して痛みによって気づいたわけではないことが思い当たります。問題は、初期の小さな腫瘍の内は、手で触れても気づくことができないこと。乳がんはどれくらいの大きさから発見できるのでしょうか。
発見できる腫瘍の大きさ
・3mm以下:まず発見できません
・3mm以上:超音波検査で発見できることがある
・1cm以上:触診で発見される。自分で気づくこともある
・2cm以上:ほとんどの人が自分で気づく
乳がんのセルフチェックは「しこり」に気づくためのもの
乳がんを発症しやすいのは一般的には40歳以降とされています。そのため、40歳を過ぎたら乳がん検診を受けることが勧められており、マンモグラフィーに関しては補助を受けることもできます。
一方で20歳代、30歳代の女性に関しても、罹患率は低くなるものの乳がんの可能性はあります。この年代ではマンモグラフィー検査の補助を受けることはできません。また、若い人は乳腺の密度が高く、マンモグラフィー検査では腫瘍も乳腺も白く映ってしまうために乳がんの発見が難しいともいわれています。20歳代、30歳代の女性は月に1回程度のセルフチェックにプラスして、気になる人は超音波検査(エコー)を受けるようにするとよいでしょう。
セルフチェックは定期的に行うことで、たとえ異常が見つからなくても自分の胸の微妙な変化に敏感になれるので継続することをおすすめします。セルフチェックは指先でふれたり、つまんだり、指の腹でさわったりしたときの感触によって異常を発見するもの。つまり、自分でしこりに気づくための方法です。乳がんの疑いがあるしこりと、心配のないしこりには次のような違いがあることを知っておきましょう。
乳がんのしこりの特徴
・硬い
・動きにくい
・表面がデコボコしている
・形がいびつ
・腫瘍とその周辺の境界がはっきりしない
乳がんのしこりの特徴の中で、セルフチェックに活用できるのは「硬い」という特徴と、「動きにくい」という特徴です。ただし、月経周期によって硬くなったり柔らかくなったりし、大きさも一定でないしこりは乳がんの可能性は低いと考えられます。また、非浸潤がんというタイプはしこりにならないため、セルフチェックで発見することはできません。
2017年8月9日、国立がん研究センターが発表したがんの種類別の5年生存率を見ると、乳がんは最も高い病院で100%、最も低い病院で81.7%という非常に高い水準でした。おそらく5年生存率100%の病院には初期の乳がん、81.7%の病院には進行した乳がんの患者が多く集まったと推測されます。
乳がんは早期に発見できれば治癒も可能で、進行してしまった場合でも他のがんに比べれば生存率の高い病気です。早期発見が重要になりますが、検査にはマンモグラフィーの被ばくのようなリスクも少なからず伴うため、検査をたくさん受ければ良いというものでもありません。過剰な検査は国の財政を圧迫し、医療従事者を疲弊させる心配がある上、検査に伴う負担やリスクは当事者にふりかかってきます。やはり、一般的に言われているように、20歳代、30歳代の女性は月に1回のセルフチェック、40歳以上の女性は2年に1回の乳がん検診、を参考に冷静に対応するのがよいのではないでしょうか。
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