大腸ポリープはがんとは異なる「良性」のポリープです。しかし、放置しておくと「悪性」の大腸がんに変わってしまうことがあります。大腸ポリープの段階で切除しておけば、大腸がんのリスクを減らすことができます。
大腸ポリープを切除できる「大腸内視鏡検査」とは?
大腸内視鏡検査は、大腸がんを発見するために行う検査です。腸の中に内視鏡を挿入し、引き抜きながら観察していきます。入れるときは素早く、抜くときは丁寧に、が理想です。高性能カメラを搭載した大腸内視鏡検査は、大腸のすみずみまで観察することが可能です。さらに、検査中にポリープが見つかれば、その場で切除することもできます。
また、「がんかもしれない」という疑わしい病変については、内視鏡を使って組織を採取し、病理検査とよばれる精密検査に進めることができます。大腸内視鏡検査は大腸がんの早期発見に加え、疑わしい病変の精密検査への橋渡し、そして、大腸ポリープの切除による、将来の大腸がんリスク軽減に役立ちます。
切除できる場合とできない場合
大腸内視鏡検査は大腸ポリープの切除が可能ですが、安全を考慮して切除を行わないこともあります。切除の基準は医療機関によって異なりますが、一般的には、切除可能な位置にある1センチ以下のポリープが切除対象となります。
なお、大腸内視鏡検査によって大腸ポリープを切除する場合のリスクとしては、腸に穴が開く重篤なケースが約0.04%、比較的頻繁に起きやすい出血に関しても0.5%以下となっています(切除を行わず観察のみの場合のリスクは0.04%)
1度行った後は、しばらくは便潜血検査で様子を見る
大腸がんを発見するための検査としては、定期健診に取り入られれている便潜血検査も有効です。検査の精度は大腸内視鏡検査の方が上ですが、便潜血検査は簡便で安価に行えるというメリットがあり、精密検査を必要とする人をふるいわけるスクリーニングに適してます。
大腸がんの罹患率が高くなる40代以降で、特に身内に大腸がんに罹った人がいる場合は大腸内視鏡検査を受けておくとよいでしょう。異常がなければ、数年間は便潜血検査で様子を見て、次に大腸内視鏡検査をいつ受けるかについては、医師とよく相談しましょう。