血糖値スパイクが招く体調不良
血糖値スパイクは甘いものや炭水化物を食べたときに血糖値の急上昇と急降下のこと。
AKB総選挙で岡田奈々さんが機能性低血糖症であることを告白しましたが、機能性低血糖は血糖値スパイクという現象と密接に結びついてインす。
血糖値に関わる病気には糖尿病があります。糖尿病は血糖値を下げる働きのあるインスリンが出なかったり、出ていても効きにくい体質になっていたりで血糖値がいつまでも高いままになる病気です。
それに対して機能性低血糖症は血糖値が低くなってしまう病気です。ちょうど糖尿病と正反対のようにも見えますが、この2つは結びついています。なぜなら、低血糖が起きる原因は、まず最初に高血糖が起きてことによるものだからです。
血糖値スパイク 急激に上がった血糖値は急激に下がる
病気ではない人でも、空腹時に甘いものを食べると急激に血糖値が上昇し、一時的に満足感を得られますが、少し時間が経つと今度は血糖値が急激に下降し、気分が落ち込み、再び強い空腹感を感じます。程度の差こそあれ、こうした経験をしたことがある人は大勢いることでしょう。
甘いものを食べて血糖値が上がると、これを下げるために大量のインスリンが分泌されて血糖値を下げ、今度は下がりすぎてしまいます。この血糖値の急上昇、急降下が血糖値スパイクで、攻撃性を強めるアドレナリンや、気分の落ち込みを引き起こすノルアドレナリンを分泌させ精神的にも不安定になります。
血糖値を不安定にさせる最大の要因は食生活。血糖値を急上昇させる食べ方には次のものが挙げられます。
・1日1食や2食と食事回数が少ないかわりにドカ食いする
・甘いものを好んで食べる
・ご飯、うどん、パスタなどの炭水化物中心の食事
糖質制限、低インシュリンダイエットが有効?
ダイエット効果が高いとして注目された糖質制限ダイエットは、健康、特に心疾患への悪影響が指摘されており、メリットとデメリットがあることが知られるようになりました。しかし、こと機能性低血糖症に関してはほどほどの糖質制限は有効だと考えられます。
なぜなら、機能性低血糖症の大きな要因として、精製された糖質(典型的には砂糖ですが、米、パスタ、うどんなども含む)に偏った食事が考えられるからです。
岡田さんが実際にどうだったかは分かりませんが、スリムな体型を維持しようとする若い女性は食事を我慢し、空腹状態が続きがちです。こうなると、体は手早くエネルギーを補おうと、甘いものを欲しがります。食事を我慢して、甘いもので小さな充足を得る、ということを繰り返していると血糖値は急激に上がったり下がったりを繰り返します。
これを防ぐには糖質の量を減らすことです。糖質の量を減らすということは、代わりにタンパク質や脂質をしっかり摂るということ。つまり、お菓子で飢えをしのぐのではなく、ちゃんとした食事で満腹感を得ることが重要です。
しかし、糖質を完全に制限するのは極端な方法かも知れません。そこでよりマイルドな制限方法がGI値の低い食品を摂る方法。これは低インシュリンダイエットとして20年近く前に大流行しました。同じ炭水化物でも玄米とうどんではGI値が異なります。血糖値を上げやすいものほどGI値が高く、上げにくものほどGI血は低くなります。玄米はうどんに比べてGI値は低くなり、炭水化物以外ではさらに低くなります。
糖質制限を選んでも低インシュリンダイエットを選んでも、お菓子や甘いものはおあずけです。食事と食事の間をできるだけ空けず、特に朝食を抜かないようにして、良質なタンパク質と脂質を含むちゃんとした食事を摂る習慣をつくることが機能性低血糖症の改善につながると思われます。
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