国内初となるカフェインによる中毒死が報告されました。九州地域で、カフェイン入り清涼飲料水を頻繁に飲んでいた20代男性が死亡したそうです。男性の胃の内容物からはカフェインの錠剤のようなものが見つかっており、清涼飲料水のみによる中毒死ではないようです。ただし、これは推測ではありますが、カフェインの錠剤に手を出すようになるまでには、カフェイン入り飲料を大量に摂り、それだけでは足りなくなるといった前段階があったのではないでしょうか。すでにカフェイン中毒となっており、摂取量がエスカレートしていったと考えるのが自然です。ここでは、カフェイン中毒につながるコーヒーやエナジードリンクの危険な飲み方を見てみましょう。
飲み物に含まれるカフェインの量は?
最初に、飲み物に含まれるカフェインの量を確認しておきましょう。
コーヒー(200g)……80mg
エナジードリンク(250g)…80mg
エスプレッソ(30g)…64mg
紅茶(200g)……44mg
コーラ(350g)……38mg
緑茶(200g)……30mg
コーヒーとエナジードリンクのカフェイン含有量が多いのが分かります。眠気覚ましを謳うエナジードリンクの中にはさらに多くのカフェインを含んだものもあります。
安全に摂取できるカフェインの量は?
欧州食品安全機関(EFSA)は健康を損なわないカフェインの摂取量の目安を示しています。
それによると成人の摂取量は次のようになります。
・1日400mg未満
・1回の摂取が200mgを超えない
この基準に従うと、80mgのカフェインを含むコーヒーの場合、1日に5杯を超えて摂取するのは望ましくないことになります。また、1度に3杯飲むと240mgとなり、200mgを超えてしまいます。1度に飲む量は2杯までに抑えた方が良さそうです。
中毒に陥り、飲み物以外のカフェインを求めると危険
次にカフェイン中毒について見てみましょう。カフェイン中毒は体内のカフェインが切れると不安を感じて落ち着かなくなり、絶えずカフェインを必要としている状態です。頭痛、吐き気、心拍数の急上昇、頻尿、といった身体的な症状も現れ、ひどいときはパニック状態に陥ることもあります。
カフェイン中毒になると、カフェインの摂取量がどんどん増えて中毒から抜け出せなくなっていきます。カフェインそのものの致死量はコーヒー50杯ほどに相当するそうなので、カフェインの毒性で死にいたることはほとんどないと考えられます。
しかし、カフェイン中毒によってどんどん摂取量が増えていき、飲み物以外のカフェインを求めるようになると、摂取量が跳ね上がるので危険です。サプリメントのカフェイン含有量は製品にもよりますが1粒で約200mgが含まれており、先の基準に従えば、これだけで1回に摂取できる量の上限に相当します。さらに、サプリメントには簡単に大量摂取できてしまうという問題があります。
カフェインの危険を避けるには中毒に陥らないことが最も重要といえます。カフェインを摂取しても体外に排出されれば中毒にはなりません。排出が間に合わないほどの量を摂らないように注意しましょう。コーヒーであれば、1時間に3杯以上飲むと中毒につながる可能性があります。どうしてもカフェインを摂りたいという人は、できるだけ間隔をあけて摂るように心がけ、中毒を防ぎましょう。