女優の白川由美さんが6月14日、急性心不全のため自宅で亡くなったそうです。周囲の人たちからは「数日前まで元気だった」「持病はなかった」との証言があることから、突然の死を不信に思った人もいるようです。心筋梗塞につながる冠動脈の狭窄や高血圧といった背景があれば、突然の心不全も受け入れやすいのですが、白川さんにはそうした疾患はなかったといわれています。
しかし、事実はもっと単純かもしれません。というのも、高齢者の死亡診断書にはたいてい「心不全」と書かれるものだからです。急性心不全と報道されたからといって、死因を心疾患に限定する必要はありません。
風呂場での溺死の可能性
白川さんは14日夕方、自宅の風呂場で倒れているのを発見されています。風呂場で死亡につながる何かが起きたと考えるのが自然です。そして、もっとも可能性の高いのは溺死です。
体温が上がったり下がったりする入浴中は、とりわけ高齢者にとっては危険な時間。心筋梗塞や脳卒中、血圧の急激な変化によって意識がもうろうとすれば溺死してしまう可能性があるからです。
実際、入浴中の死亡者は年間1万4000人ともいわれており、そのほとんどは高齢者。特に白川さんの属する71歳~80歳はもっとも死亡率が高くなる年代です。高齢者の入浴中の死亡は決して珍しいことではなく、交通事故で亡くなる人よりも多いといわれています。
不慮の事故か病気かで保険金も変わる
ところで、契約している保険によっては、「不慮の事故による死亡」に対して保険金が支払われます。風呂場での溺死は不慮の事故です。
しかし、例えば風呂場で心筋梗塞を起こして結果として溺死した場合は、心筋梗塞という心臓の病気を死因と考え、不慮の事故ではないと判断されます。こうなると「不慮の事故による死亡」に対する保険金は支払われません。
つまり、心疾患の結果として溺死に至ったのか、溺死の結果として心不全に至ったかの違いが重要になります。白川さんが「数日前まで元気だった」「持病はなかった」といった証言は、風呂場での死亡が病気によるものではなく不慮の事故によるものであることを示すものです。風呂場での死亡については、もともと心臓に病気を抱えていた人が亡くなるのと、直前まで元気だった人が亡くなるのとでは意味合いが変わってきます。
こと保険金の受け取りに関しては、元気だった人が不慮の事故で亡くなっている必要があります。そして、白川さんのケースは実際にそうだったのではないかと推測できるのです。
米国・トランプ氏が復活させたい「水責め」は、乾性溺水のメカニズムによる「溺死」体験だった!
「ヒートショック」による失神に注意! ~入浴中の突然死は12月、1月に集中~