田中一成 死因は脳幹出血
田中一成さんは「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」「コードギアス 反逆のルルーシュ」「銀魂」といった名だたるアニメ作品に出演した声優さん。その田中一成さんが10月10日、脳幹出血のために亡くなったそうです。49歳の若さでした。ここでは脳幹出血について見てみましょう。
田中一成 脳幹出血は脳出血の中で最も重篤
脳卒中には脳出血、くも膜下出血、脳梗塞があります。脳幹出血は脳出血のひとつですが、問題なのが出血が生じる部位。脳幹は脳のなかでも奥の方にあり、脳と脊髄の連絡路となっています。脳神経が多数集まっており外科手術ができません。へたに触ると脳死につながりかねないからです。多くは血圧のコントロールと脳の腫れを取る薬物療法のみで対処します。脳幹出血は脳出血の中でも最も重篤といわれています。
脳幹は生命維持に直接かかわる原始的な脳
脳幹は中脳・橋・延髄に分かれ、心臓の動きや呼吸、体温調節といった生命活動を担っています。脳幹は原始脳とも言われる部位で、知性や感情ではなく、生きることそのものに関わっています。
脳幹出血の頻度は、
脳出血全体の6~8%以下と比較的稀です。
死亡率は30~70%。「橋」という部分の中心に出血するケースでは数時間から数日の間に死亡してしまうことが多いそうです。
脳幹出血で目覚めない理由
人の意識がある状態、いいかえると覚醒状態を維持しているのが脳幹(またはその上の中脳)です。ここには上行性網様体賦活系(じょうこうせいもうようたいふかつけい)があり覚醒や睡眠を制御していますが、脳幹出血によってこの網様体がダメージを受けると目覚めることができなくなります。脳幹出血を発症してそのまま目覚めない人がいる理由と考えられています。
脳幹出血のリスクを高める要因は他の脳出血と同様に高血圧。高血圧の人は動脈硬化が進行しやすく、脳幹出血を含む脳卒中だけでなく、心筋梗塞のリスクも高くなります。しかし、いつ発症するかは予測できず、また発症してからの予後は出血部位や出血の範囲に左右され、運を天にまかせる状況に近いのだそうです。田中一成さんのケースも突然の出来事だったのかもしれませんね。ご冥福をお祈りいたします。