ウイルスを原因とする子供の胃腸炎といえばノロウイルスが思い浮かびますが、同様にロタウイルスにも注意が必要です。ロタウイルスはノロウイルスの流行よりも少し遅れて3月~5月にかけてピークを迎えます。ロタウイルスへの対処法について見てみましょう。
ほとんどの子供がロタウイルスに感染する
ロタウイルスは直径約100ナノメートル。ノロウイルスの約倍の大きさです。感染者の下痢便1グラムには、ノロウイルスの100万倍の相当する1000億から1兆個のロタウイルスが含まれています。その内、わずか10~100個のロタウイルスが口から入っただけで感染が起きます。
非常に感染しやすいのが特徴で、5歳頃までにほとんどの子供が感染を経験します。5歳までの急性胃腸炎の入院患者のうちの、40~50%はロタウイルスが原因なのだそうです。
ロタウイルスの感染に注意が必要な場合とは?
ほとんどの子供が罹るというくらいなので、基本的には大きな心配はいらない病気です。感染を経験するごとに現れる症状も軽くなっていきます。ロタウイルスの症状が大人に見られないのは、何度もの感染を経験することで免疫ができあがっているからです。
ただし、割合としては低いものの重症化すれば命を落とすこともあります。厚生労働省の報告によれば、日本におけるロタウイルス感染症による死亡例は毎年2~18名にのぼるとされています。ロタウイルスに感染すると2~4日の潜伏期間の後に、水のような下痢や嘔吐などの症状が現れます。注意しなければならないのは、何日も脱水症状が続く場合や、意識低下やけいれんが見られる場合です。
乳幼児のみが対象となるロタウイルスワクチン
ロタウイルスワクチンは乳幼児のみを対象としています。ロタウイルス感染症を引き起こすウイルスには5つの血清型があります。単価ロタウイルスワクチンはその内の最も一般的な血清型をもとに作られています。また、5価ロタウイルスワクチンは5つの血清型すべてに対応することができます。前者は2回接種、後者は3回接種となっており、いずれも1回目の接種を14週6日までに行うことが推奨されています。接種期間も異なるので医療機関に確認するようにしましょう。
子供に水のような下痢の症状が現れたらロタウイルス感染症の可能性があります。ロタウイルス感染症に対する特別な治療はないので、栄養と水分補給に気を配りながら回復を待ちます。症状が重い場合にはすぐに医療機関を受診するようにしてください。
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