12月9日、午前9時から11時まで園庭で餅つき会を行った八王子市の保育園でノロウイルスによる食中毒が発生しました。園児、保育士、料理従事者、保護者の計41名が翌日の10日から12日にかけて食中毒の症状を訴えたため、八王子保健所が調査を行い、判明したものです。この食中毒は、季節(12月)という点でも、環境(保育園)という点でも、ノロウイルスの感染が起きやすい条件がそろっていたといえます。ノロウイルスの予防について見ておきましょう。
ノロウイルスの流行は12月から2月にかけて
ノロウイルスは毎年12月から2月頃にかけて流行します。八王子の保育園における食中毒はちょうど流行が始まる時期に一致していました。餅つき会の翌日から計41名に腹痛、おう吐、下痢、発熱等の症状が現れたとされていますが、これもノロウイルスの典型的な症状です。
ノロウイルスは、感染後24時間~48時間の潜伏期間を経て、発熱、吐き気、嘔吐、下痢、腹痛といった症状が出るのが特徴です。重症になることは稀で、1~2日症状が続いた後に自然に治癒します。
感染の連鎖を防ぐことが大切
保育園をはじめ幼稚園、小学校、中学校ではノロウイルスが流行しやすい傾向にあります。子供は大人に比べて抵抗力が弱く、感染しやすいことに加え、集団生活で多くの子供たちの身体的な接触の機会が増えるからです。特に保育園や幼稚園の小さな子供は衛生観念を持っておらず、無防備です。周りの大人が感染を防ぐ工夫をする必要があります。
ノロウイルスは排泄物(尿、便、吐物)や、痰、唾液、鼻水、目やに、母乳などを介して感染します。排泄物には、症状が治まった後もしばらくの間ノロウイルスが含まれています。清掃時には使い捨て手袋を使い、使い終わったら手袋を外して丁寧に手洗いをしましょう。
消毒には市販の漂白剤(次亜塩素酸ナトリウムを含む製品)が有効です。一般的な塩素濃度約5%の漂白剤は用途に合わせて次のように薄めて使います。
≪床の掃除や、衣類の浸け置きの場合≫
キャップ2杯の漂白剤(10ml)を500mlの水で薄めて使う
≪トイレの便座、ドアノブ、食器の浸け置きの場合≫
キャップに半分の漂白剤(2ml)を500mlの水で薄めて使う
特に小さなお子さんのいる家庭では、流行が予想される12月~2月の間、ノロウイルスの予防に努めましょう。
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