モデルの栗原類さんが発達障害に関する著書を発表するそうです。出版は10月13日を予定しており「発達障害の僕が輝ける場所をつけられた理由」(KADOKAWA)となる模様。
栗原さんは8歳のときに、当時暮らしていたアメリカで注意欠陥障害(ADHD)と診断されたそうです。題名から察するに、恐らく今回の著書は発達障害を悲観的にとらえるのではなく、ポジティブな要素や、困難を乗り越える方法などが示されるのでしょう。アメリカには実際、注意欠陥障害をむしろアドバンテージと考える心理学者の説もあるといいます。
マルチタスクに優れ、発想力豊か
注意欠陥障害の特徴は、じっとしていられず、注意力が散漫な点にあります。アメリカの心理学者デイル・アーチャー氏の著書「The ADHD Advantage: What You Thought Was a Diagnosis May Be Your Greatest Strength」では、これをむしろポジティブにとらえています。
一見すると注意力散漫にも見える注意欠陥障害ですが、その仕組みは彼らの思考回路が凡人とは異なるから。アーチャー氏はこれを、アイデアが連続的に拡散していく「非線形思考」ととられています。関心の赴くままに次々に物事に着手し、関心のむかないものには目もくれず、関心のある事柄に対して高い集中力を発揮します。
また、注意力が不足して事故に会いやすいのも、衝動的に物事を決定し、リスクをかえりみずに行動するためです。安全への配慮は必要ですが、こうした決断の早さは、状況の全体像が見えない中で物事を決定する必要があるビジネスの世界でも大きな武器になるものです。実際、成功した起業家の中には注意欠陥障害の人が少なくないのだとか。
ドラマチックに生きる才能
注意欠陥障害では、決められたルールを守れなかったり、大切な場面で居眠りしてしまうこともあります。安定した社会での勤労には向いてないのかもしれません。しかし、成功した起業家にしばしば注意欠陥障害の傾向がみられるのは、その自分勝手ともとれる行動が功を奏しているからとも考えられます。
自分の情熱を傾けらえるものを見つけたとき、注意欠陥障害を持つ人は驚くべき集中力を発揮し、次々に新しいものに関心を向けて人にはできない成果を手にする可能性を秘めています。アーチャー氏が説くように、それは大きなアドバンテージなのかも知れません。
ネガティブ発言が売りとなっている栗原さんのこと。手放しの成功体験が語られるとは思えませんが、情熱を傾けられる何かに出会うドラマチックな出来事があったのではないでしょうか。著書の出版が楽しみですね。
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