出産時に増えるホルモン「オキシトシン」で自閉症スペクトラム障害が改善!?

ギリシャ語で「時間のかからない出産」を意味するという「オキシトシン」は、出産時の母親が大量に分泌するホルモンです。強固な母子関係をつくるホルモンとして知られていますが、母子間にとどまらず、広くコミュニケーション能力の向上に役立つことがわかってきました。

母子間から社会関係まで幅広く作用

オキシトシンは出産時に子宮口を開き、母乳が出るのを促進させる働きがあります。母親と赤ちゃんを強く結びつけるホルモンですが、女性だけでなく、男性も分泌しています。キスやハグによって分泌量が増えることが知られており、愛情ホルモンとも呼ばれています。

さらに、スイスチューリッヒ大学経済学研究所のKosfeldらの研究によれば、健康な成人男性へのオキシトシン投与によって「他人への信頼感」が増加するといいます。他人との協力関係なしでは行えない政治的活動や経済的活動においても、オキシトシンは他者との絆を強固にし、物事を協力して進める上で重要な作用を持つことがわかりました。

自閉症スペクトラム障害を改善

東京大学の研究チームは、オキシトシンが自閉症の改善に貢献することを示す研究を行いました。この研究は、東京大学医学部附属病院の40名の自閉症スペクトラム障害の成年男性を対象とするものです。自閉症スペクトラム障害は、人口の100人に1人程度の割合で起きる発達障害のひとつで、表情や声色から相手の気持ちを汲み取るなどができず、コミュニケーション能力や社会性の発達が遅れる疾患です。

被験者の鼻にオキシトシンを噴霧し、その後の対人反応を検証したところ、噴霧後は、相手の表情や声色から、相手の友好性を判断しようとする行動が増えたといいます。つまり、積極的にコミュニケーションを図り、友好的な関係を築く動機を強め、実際に行動に移したのです。こうして、人と人との関係性の障害である自閉症が、人と人との関係性を強めるホルモンであるオキシトシンによって改善される可能性が示されました。

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