スポーツで非常に多いケガに、「足をひねる」というのがあります。ほとんどの場合は軽度の捻挫であることが多いのですが、稀に骨折を伴うことがあります。
捻挫と腓骨骨折
足関節の横方向の可動域を確認してみると、外側にはあまり動かないのに対して、内側にはかなり動くことが分かります。この、大きく動く方向にケガをしやすい傾向にあります。実際、ほとんどの捻挫は足関節を内側にひねった状態で強い力が加わった際に発生しています。捻挫で損傷するのは前距腓靭帯(ぜんきょひじんたい)や踵腓靭帯(しょうひじんたい)で、骨が折れているわけではありません。
しかし、ほとんど同じような症状なのに、レントゲンで確認すると骨が折れているという場合があります。折れやすいのは、くるぶりの近くの腓骨という骨です。膝から足首にかけての脛の部分は、「脛骨」と「腓骨」によって支えられています。太い方が脛骨、細い方が腓骨です。
足をひねった際に骨折するのは、ほとんどの場合腓骨の足首側です。腓骨の足首に近い部分を「腓骨遠位端(ひこつえんいたん)」と呼びます。そして、この部分を骨折を「腓骨遠位端骨折」といいます。捻挫だと思い込んでいたところ、なかなか治らずレントゲンで確認したところ腓骨遠位端骨折だった、ということは少なくありません。
腓骨骨折の治療
腓骨骨折の治療については、骨が大きくずれていたり、靭帯損傷を合併している場合に手術を行うほかは、ギプス固定による保存的治療が中心になります。
2週間程度は足に体重がかからないようにしますが、ある程度の刺激が加わった方が骨の修復が早まるので、少しずつ体重をかけるようにしていきます。ギプスによる固定期間は約2か月が目安となります。
足をひねって負傷すると、「また捻挫か」で済ませてしまうことが多いと思います。しかし、足首の骨折は捻挫と共通する部分が多く見落としがちです。「少しおかしい」と思ったら、レントゲン検査が可能な整形外科を受診するとよいでしょう。
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