タレントの堀ちえみさんが口腔がんで闘病中であることを公表しました。
ステージは4。かなり厳しい状況だと語っています。実際どれくらいのリスクがあるのでしょうか。舌の切除となると後遺症も心配です。
堀ちえみ 口腔がんステージ4の生存率は?
口腔がんの5年生存率は、
- ステージ1…91%
- ステージ2…80%
- ステージ3…65%
- ステージ4…45%
となっています。(がん研有明病院HPより)
堀ちえみさんはステージ4とのことですので、統計で見る限り5年生存率は45%となります。
舌を切除しても食事はできるの?
堀ちえみさんは治療方針について、次のように述べています。
「舌の半分以上を切除。首のリンパに転移した腫瘍も、同時に切除します。切除した舌には、自分の皮膚の一部を、移植します」
舌を半分以上切除と聞くとショックを受けますよね…。そして、手術の結果、食事に影響が出ないか心配にもなります。
舌を切除した場合の後遺症は、切除の範囲によって変わってくるそうです。切除範囲の小さいものから大きいものにかけて、次のように分類されています。
- 舌部分切除術…舌の一部分を切除します
- 舌半切除術…がんのできている側の舌半分を切除します
- 舌亜全摘出術…舌を半分以上切除します
- 舌全摘出術…舌を全部切除します
(伊勢赤十字病院HPより)
堀ちえみさんのコメントによれば、「舌の半分以上を切除」とあるので、おそらく3の舌亜全摘出術か、もしくは2の舌半切除術であると考えられます。
後遺症に関しては、この2つではかなり違いが出ます。
舌半切除術の場合は、味覚障害もなく、食べものを飲み込んだり、発音したりといった機能の障害は日常生活に支障をきたさない範囲と言われています。
一方、舌亜全摘出術になると、味覚障害はないものの、食べものを飲み込んだり、発音したりといった機能の障害は避けられないとされ、軟らかいものしか食べられないこともあるそうです。
以上から、堀ちえみさんのおかれた状況はかなり厳しいことが分かります。
しかし、堀ちえみさんは、
「ただ前だけを向いて、ポジティブに生きていこうと。私は負けません」
と、前向きなコメントを出しています。舌を切除した後のことなど不安要素はありますが、確かに、今は最善をつくすのみですよね。がんに負けずに闘病してほしい、命を守ってほしい、と願うのみです。
口腔がんが心配な人は何をすればいい?
口腔がんはステージのよって生存率が変わる以外にも、手術による後遺症の重さも変わってきます。早期に発見できれば切除範囲も小さくて済む可能性があります。
堀ちえみさんのニュースを知って、自分も口腔がんが心配だという人は、自分のリスクを知り、セルフチェックをしてみると良いでしょう。
口腔がんになるリスクが高い人とは
口腔がんは、舌や頬などが刺激される機会が多いと発症しやすいと考えられています。例えば、歯を治療して被せ物などが舌に当たる、入れ歯が合わない、などは刺激を増やす要因になります。たばこやお酒の影響もあるようです。
口腔がんになりやすい人の特徴がまとめられているので紹介します。
・1日にタバコを10本以上吸う
・タバコは、葉巻やパイプが好き
・50歳以上で、飲酒時にタバコも吸っている
・飲酒するとすぐに顔が赤くなる
・強いお酒が好きだ
・歯を磨かない、入れ歯の掃除をしない
・頻繁に舌や頬の粘膜を咬む
・入れ歯や歯の詰め物が当たって痛い
・偏食がある(ビタミンや鉄分不足)
・がんになったことがある
(洛和会音羽病院HPより)
当てはまる項目が多いほどリスクが高いと考えられますが、「たくさん当てはまる=口腔がんになる」というわけではないので、あくまでも参考として考えてください。
口腔がんのセルフチェックの方法
口腔がんでは、初期に出血や痛みといった症状が出ることは稀だそうです。しかし、口の中に硬くなった部分があるとか、白くなった部分があるというように、周りとは異なった不自然なところが出てきます。
口腔がんのセルフチェック方法がまとめられているので紹介します。
・口の中に硬いしこりがある
・口の中に出血しやすい場所がある
・口の中や唇にしびれがある
・口の中が腫れて、入れ歯が合わなくなった
・口の中に白い部分または赤い部分がある
・口臭があると言われた
・原因不明の歯のぐらつきがある
・3週間以上治らない口内炎や潰瘍がある、または抜歯後の傷の治りが悪い
・首のリンパ節の腫れが3週間以上続いている。
(洛和会音羽病院HPより)
口腔がんは自分で口の中を観察することで発見できる癌だと考えられています。歯磨きの際に一通りチェックしてみてもよいでしょう。
また、歯科治療の際に口腔がんが発見されることも少なくありません。歯医者さんは口腔がんを治療することはありませんが、口腔がんの発見に関しては専門家です。気になることがあったら歯科治療の際に相談してみるのもよいでしょう。