巨泉「がんと闘わない」…高齢だと進行しにくい? 治療しないは正解?

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タレントの大橋巨泉さんは2005年に胃がんの手術を行って以来、次々に発症するがんの治療を続けてきました。2016年3月、新たに鼻腔内にがんが見つかったことが報道されていますが、それによると、今後は「がんと付き合っていく」方針だそうです。その理由は高齢であることに加え、これまでの手術で体力が低下しており、負担のかかる治療に耐えられないためと思われます。

ところで、よく「若い人のがんは進行が早く、高齢だと進行が遅い」といいますが、これは本当でしょうか。もしそうなら、ある程度の年齢になってからは積極的に治療を行わなくてもよいことになるでしょう。

「高齢だと進行しにくい」といわれる理由

実際には高齢だからといってがんの進行が遅いということはないそうです。ただし、高齢になってからかかるがんの中には、男性の前立腺がんのように非常に進行の遅いものがあります。高齢の人で、がんがあっても長生きする人がいるのは事実ですが、これは、がんの進行が遅くなるためではなく、もともと進行の遅いタイプのがんにかかっているためです。

また、罹患率の高い胃がんに関しては、30歳代では低分化腺がんというタイプが多く、高齢者では高分化腺がんというタイプが多くなります。早期に発見された高分化腺がんは胃の表面にとどまっており、内視鏡で比較的容易に治療できます。このことも、高齢者のがんの方が危険が少ないという印象につながっていると思われます。しかし、これはがんのタイプによる差異であり、高齢者のがんの進行が遅いというわけではないのです。

高齢になると、がん以外のリスクが高くなる

ほとんどのがんは高齢であるほどかかりやすくなります。しかし、がん自体が原因で亡くなるとは限りません。高齢になるほど、がんを持っている人の割合は高くなりますが、同時に脳や心臓の疾患が理由で亡くなる割合も高くなります。そのバランスが問題です。

<死因に占めるがんと脳・心臓疾患の割合>
・74歳まで…がんで死ぬ人が脳・心臓疾患で死ぬ人を上回る
・75~79歳…脳・心臓疾患で死ぬ人の合計ががんで死ぬ人を上回る
・85歳以上…脳または心臓それぞれの疾患で亡くなる人ががんで死ぬ人を上回る

このように統計上75以上になると、がん以外の病気、特に脳・心臓疾患にいっそうの注意が必要になることが分かります。

巨泉さんが「がんと付き合っていく」方針をとる理由は、高齢になってがんの進行が遅くなったためではありません。82歳の巨泉さんはがん以外のリスクにも十分に配慮する必要があり、がん治療に伴う体力・気力の低下は望ましくないと判断したためでしょう。今後、がんと付き合いながらできるだけ体力を維持し、元気な姿を見せ続けてくれることを願いたいですね。

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