丸刈りの北斗晶さんが笑顔で写っている写真が公開されていますね。北斗さんを囲む家族も全員笑顔です。ご存じのとおり、北斗さんは乳癌の手術を終え、今は抗がん剤治療を進めています。抗がん剤の副作用で髪が抜け始めたので、思い切って丸刈りにしたのだそうです。そこまではいいとして、これを満面の笑顔で写真におさめ、何か楽しいことでもしているように家族で笑いあっている……これまでに見たことのないような光景でした。
「苦しい時こそ笑え」と、プロレスラーの人はよく言いますよね。プロレスラー以外にも、多くのアスリートが同様のことを口にします。あえて「笑う」というのは、厳しい練習を耐え抜くことを習慣にしている人たちの知恵なのではないでしょうか。皆さんは、乳癌の患者を囲み、全員が笑顔で写っている写真をどうご覧になったでしょうか。この笑顔は無理して笑っているようには見えませんよね。本物の笑顔です。しかし、「笑うんだ」という強い意志を感じさせるようにも見えました。
実は、癌に罹った人の多くがうつ病を経験します。中でも、北斗さんのように乳癌にかかった人はそのリスクが高いそうです。本来、深刻なはずの事態を家族で笑い合うこと、それは、実は身近に迫っているかもしれない大きな危機を回避する自然の策になっているのではないでしょうか。
乳癌患者に多い「うつ病」
癌の告知を受ければ誰だって大きなショックを受けます。告知から2週間までに最初の精神的危機のピークが来ます。特に乳癌の場合は他の癌に比べて発症する年齢が低く、重要な仕事を担っていたり、家族を養わなければならなかったり、子育ての真っ最中だったりと、将来に対する不安を強く感じる傾向にあります。
また、乳癌の多くは女性ホルモンである「エストロゲン」によって増殖するタイプです。増殖を抑えるために、エストロゲンを薬を使って抑制するホルモン療法も行われます。ホルモンバランスの変化によって精神的に不安定になる人も少なくありません。
乳癌患者が抱える精神的症状でもっとも多いのは「不安」と「抑うつ状態」だそうです。手術後1~2年以内では10~30%、再発後では40~50%の人がそうした症状に悩まされているといいます。
不安が伝染し、家族は「第2の患者」となる
患者が抑うつ状態となり、物事を前向きにとらえられないまま不安な状態が続くと、それは家族にも伝染します。患者の家族は患者と同じように不安で苦しい状況に置かれています。自分自身も不安で仕方がないのに、患者をサポートしなければなりません。そして、一番大変な思いをしている患者の前で「苦しい」などとは言えず、精神的に大きな負担を背負ったまま誰にも相談できない状況が続きます。精神的な危機は患者だけでなく、患者の家族にも訪れます。そのため、がん患者の家族のことを、サポートを必要とする「第2の患者」と見なす考え方もあります。
さて、これは仕方のないことではありますが、常に辛そうな患者の姿を家族が毎日見ていたらどうなるでしょうか。患者の不安や苦しみは家族にも伝わって、大きな悲しみと、そして、支えてあげられていないという罪悪感を強めてしまうのではないでしょうか。こうなれば家族全員が共倒れしてしまう心配も出てきます。
あらためて北斗さんの写真を見てみます。女性が、本当は嫌に決まっている丸坊主で笑っています……。プロレスラーの笑顔? それとも母親の笑顔? いずれにしても、これで家族が大いに救われているのは間違いなさそうです。
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