脳腫瘍の手術を受けたゴスペラーズ・北山陽一さんがが退院されたことが分かりました。北山さんは体調不良が原因で検査を受けたところ脳腫瘍が見つかったため、11月中旬頃から入院していました。北山さんに見つかったのは「良性」の腫瘍でした。それでも手術が必要なのはなぜなのでしょうか。
「良性」の脳腫瘍とは?
脳腫瘍の8割以上は良性だといわれています。良性の脳腫瘍には次のような特徴があります。
・他の部位に転移する心配がない
・成長の速度が遅い
・周囲の脳の組織と境界がはっきりしている
代表的な脳腫瘍には髄膜腫、脳下垂体腫瘍、聴神経腫瘍があります。
脳腫瘍が引き起こす症状
脳腫瘍は腫瘍自体は良性で害がなかったとしても、できる場所が脳内であるため、腫瘍が脳を圧迫してさまざまな症状が生じます。脳腫瘍の症状には次のようなものがあります。
・頭痛
・めまい
・吐き気
・言葉を話せない
・目や耳の異常
・意識を失う
脳腫瘍を原因とする頭痛は朝方に症状が強く出る傾向があるそうです。
良性の脳腫瘍を手術する理由
脳腫瘍は良性であっても症状を伴います。これが手術を行う大きな理由です。脳腫瘍が見つかっても症状がない場合には手術を行わず、経過観察を続けることもあります。良性の脳腫瘍は急激には大きくならないのが特徴です。しかし、少しずつでも大きくなれば、これまで無症状だった人にも症状が現れる可能性があります。そのため、脳腫瘍が大きくなるのを防ぐ、というのも手術を行う理由になります。
さらに付け加えると、髄膜腫、脳下垂体腫瘍、聴神経腫瘍といった良性の脳腫瘍を手術で摘出できた場合の5年生存率が90%以上といわれています。良性・悪性を含め、手術を行った脳腫瘍全体の5年生存率は64%だそうです。つまり、良性の脳腫瘍は手術を行った場合の予後が良いことも、手術が選択される理由となっています。