病的なレベルの肥満は、そのまま放置していると生命に危険が及びます。2014年には、肥満を手術によって解消する治療法のひとつである「腹腔鏡下スリーブ状胃切除術」が保険適用となりました。ただし、一定の条件を満たす必要があります。
胃を小さくすることで栄養の吸収を抑える
「腹腔鏡下スリーブ状胃切除術」は胃を小さくすることを目的とした手術です。胃をバナナのように細くし、胃の容量を100ml程度に抑えるのが特徴で、食事摂取量が制限されるとともに、食欲を刺激するグレリンというホルモンも減少します。手術後は食欲と栄養摂取量が低下していきます。20~30キロの減量に成功した時点で、肥満に伴うリスクのほとんどが解消されると考えられます。一方、デメリットには吐き気や嘔吐が生じる、切り取った胃をもとに戻せないこと、などが挙げられます。
保険適用で手術を受ける条件とは?
肥満手術を保険適用で受けるには、内科的治療を6か月以上行ったにもかかわらず改善が困難であることが条件となります。その上で、次のいずれかに当てはまる必要があります。
1)BMIが35以上で、なおかつ肥満に関係する病気を合併している
2)BMIが40以上である
BMIは「体重(kg)÷身長(m)×身長(m)」の式で計算することができます。例えば、身長158cmの人の場合であれば、体重約88kgでBMIが35を超え、体重約100kgでBMIが40を超える計算になります。
肥満手術には、肥満による糖尿病、高血圧、脂質代謝異常などを治療するという目的があり、決して「楽して痩せられる」というものではありません。腹腔鏡で胃を切除する大手術であり、手術そのものにも一定のリスクがあることを知っておく必要があります。
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