厚生労働省は5月23日、国内におけるジカ熱感染者(輸入症例)の発生を発表しました。流行が問題視された今年2月以降の感染例としては6例目、国内における感染例全体で見ると9例目にあたります。
今回の感染者は神奈川県の20代女性で、中南米の流行地域(ブラジル以外)を6カ月ほど滞在し、5月中旬に帰国しました。流行地で蚊に刺されたことがあり、37.3℃の発熱と発疹の症状がありました。女性は5月20日に医療機関を受診し、同日、ジカウイルス感染症の陽性が確定したといいます。
将来、赤ちゃんが「小頭症」になる心配は?
今回感染したのが20代の若い女性だったこともあり、心配されるのは赤ちゃんへの影響。20代女性が現在妊娠中との指摘はないため、国内でジカ熱を原因とする「小頭症」が発生する危険は極めて低いといえます。
それでも心配性の人は、「将来、妊娠したときに大丈夫だろうか?」と思うかも知れません。幸いなことに、感染歴が将来の赤ちゃんに影響を与えることはありません。しかし、症状が出ていない場合でも、ジカ熱のウイルスが体内にとどまっている間に妊娠すると、可能性としては「小頭症」のリスクがあります。
避妊期間は最長で4週間
ジカ熱の影響がお腹の赤ちゃんに最も影響を与えるのは、3カ月までの妊娠初期とされています。この間にジカ熱に感染しないことが最も重要です。次に、ジカ熱のウイルスが体内にとどまっている間に妊娠することも避けた方が良いと考えられます。
ジカ熱のウイルスは最長で4週間ほど体内にとどまることができます。従って、流行地に滞在して感染の可能性がある人は、帰国後に最長で4週間ほど避妊すれば安心ですね。症状がない場合でも、念には念を入れて4週間避妊すれば、まかり間違ってもジカ熱による小頭症が生じることはない、ということができます。