松浦亜弥さん（あやや）のモノマネで人気を博したお笑いタレントの前田健さんが亡くなられました。前田さんは4月22日、意識不明・心肺停止状態で路上に倒れているところを発見され病院に搬送されていました。
一度は心臓が動き出したものの意識は戻らず、亡くなられたとのこと。報道によれば前田さんには不整脈の持病があったそうです。もし、前田さんが路上に倒れる前に不整脈が起きていたとすれば突然の意識不明の説明がつきます。この場合、脳への血流不足が原因です。
不整脈で意識を失うメカニズム
心臓は一定のリズムで収縮を繰り返すことで全身に血流を送り出しています。不整脈とは、収縮のリズムが崩れ、血液を送り出す心臓のポンプ機能が正常に働かない状態をいいます。
血流不足によって深刻な影響を被る臓器は脳です。脳は血流不足に弱く、わずか数分で脳細胞が死に、意識を失います。不整脈の患者に対しては、自動式体外式除細動器（AED)を使って心臓の異常なリズムをリセットすることが大切です。心臓のリズムを正常に戻すことを除細動といいますが、この除細動が1分遅れるごとに7～10％ずつ生存率が低下するといわれています（日本不整脈学会HP）。
前田さんに対しては居合わせた人によって自動式体外式除細動器（AED)が用いられたとも報道されていますが、不整脈は数分で急激に悪化するため間に合わなかったのかも知れません。
不整脈の原因は?
不整脈の原因はいくつもありますが、代表的なのは次の3つです。
・心臓に血流を送る冠動脈が詰まる心筋梗塞
・心臓の筋肉が弱っている拡張型心筋症
・心臓の筋肉が厚くなる肥大型心筋症
前田さんはB型肝炎の持病があり、たびたび心臓の不調を訴えていたともいわれています。上記の3疾患を含め、心臓の何らかの疾患が引き金となって不整脈に至った可能性があります。病院で心臓自体は動き出したともいわれていただけにとても残念です。前田さんのご冥福をお祈りいたします。
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