ムッシュかまやつ 救急搬送の理由は脱水症状
肝臓がんと診断されていたムッシュかまやつさんが8月23日、脱水症状のため緊急搬送されました。ムッシュかまやつさんの肝臓がんがどのステージなのかは不明ですが、脱水症状の原因次第ではかなり進行してしまっていることもあり得ます。
ここで重要なのが脱水症状の原因。8月下旬ともなれば健康な人でも脱水症状になります。炎天下の下で活動すれば熱中症の危険もあります。
77歳のムッシュかまやつさんが肝臓がんの症状とは無関係に脱水症状となり、緊急搬送されていたとしても不思議はありません。しかし、この脱水症状が肝臓がんと密接に結びついているとすれば、事態はより深刻なものとなります。
末期の肝臓がんの症状「腹水」
肝臓がんが進行した場合、あるいは肝硬変が進行した場合に生じる症状に「腹水」があります。お腹に水が溜まったようになり、お腹が張って苦しくなります。
肝臓が正常に働いているときはアルブミンという物質が作られ、アルブミンの働いで余計な水分は血液中に引き込まれます。しかし、肝機能が低下するとアルブミンが不足して腹腔内に余分な水分が溜まった状態になります。
ムッシュかまやつさんの肝臓がんが腹水が生じるほど進行していたかどうかは分かりません。しかし、救急搬送の原因となった脱水症状は腹水によっても引き起こされるものです。
ムッシュかまやつ 脱水症状は腹水によるもの?
腹水が溜まる状態というのは肝臓がんの中でも末期と呼ばれる段階。治療は苦痛を取り除く緩和ケアの比重が高くなっています。緩和ケアでは腹水への対応も行われます。腹水は、お腹に溜まっていることは問題ですが、その成分にはタンパク質などの栄養素が含まれており、どんどん排出すればよいというものではありません。急激に抜けばショック状態に陥ることもあります。
とはいえ、腹水がどんどん溜まってしまう状態では、週に数回、物理的に抜く必要が出てきます。病院で腹水を抜くと一時的にお腹の張りが緩和しますが、体は栄養素を含んだ水分を失うことになり、脱水症状が生じやすくなります。また、こうした処置をしていない場合でも、腹腔内に水分が偏っているため、血液中の脱水が起きやすくなります。
ムッシュかまやつさんは5月に肝臓がんが見つかっていることから、無症状の段階での早期発見の可能性は十分にあります。ただ、緊急搬送に至った脱水症状が肝臓がんに特有のものだった場合には、かなり進行してしまっていると見なければならないでしょう。
ムッシュかまやつ「肝臓がん」 生存率20%と50%を分ける要因